１８.いつだって人を幸せにするのは、平穏である ページ18
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『___言葉ペラシマ？』
「大先生と一緒にすんなや」
「――話長すぎやねん、二人とも。
予定の時間より大幅にオーバーしとるで。」
突如として大きく吐かれたのは呆れのため息。
まさかまた組織の人間か？声のする方へ顔を向けようとした瞬間、
「ちょおっと眠っててな、都ちゃん。
俺としては死なれちゃ惜しいんよ。」
頸に強い衝撃と痛みが走る。脳が直接揺さぶられるような感覚と、視界がチカチカと瞬き、一気に鮮明なそれが朧げに変化していく。胃が逆流するような吐き気と、脊髄から絶たれたような脳の麻痺する感覚に、ああ手刀でも入れられたのか、と考える都は呑気なものだった。
それはその声が聞き覚えのあるものであったからかもしれない。
最後に都の視界に映ったのは、天と書かれた布を顔を隠すようにしてつけられたいやに身長の低い男の姿だった。
＊
くたり、と糸の切れた操り人形のように横たわる都を抱きかかえる。
普段とは違い、天の文字が書かれた布は、都に正体を隠すことに非常に有用だった。もし都に知られてしまえば――あの心地よい空間にはいられなくなるだろう。
男は、ロボロは、布の奥で変わらない鮮やかな紅色の瞳を細めて、腕の中で正体を失った都を見下ろした。
「寄り道しすぎや。シャオロンがめちゃめちゃ怒ってたで？」
「うわ、まじか。」
「…あ、違うなぁ」自分の発言に間違いがあったのか、軽く小首を傾げる。
「トントンがシャオロンに怒って、それでシャオロンがお前に怒ってるんやった。」
トントン。その名を口にした瞬間、コネシマに顔が見る間に焦りを持つものへと変化する。頭の中で浮かぶ男は、いつだって隈のある顔で大量の書類と上への圧力と戦っていた。つまりはすこぶる不機嫌なのである。
そんな時、二人がとる行動は一つ___標的を殺せ。出来れば生け捕りが望ましい。そう伝えられた命令は、コネシマの最大限かつ最上の配慮により、最も望ましい形で遂行できた。あとは、同じ組織内に属している話術に大変優れた仲間に任せれば、一時間と経たぬ内に今回の件は完全解決できるだろう。
つまるところ、多少打撲はしているものの、死んではいない山下をトントンへ献上すれば、今回の予定時間大幅オーバーも多めに見てもらえる筈だ。――生け捕りにするのに少々手こずったと、言い訳をセットにして。
「決まりやな。」
にんまりと笑みを浮かべたコネシマは、その靴先を気絶する山下へと向けた。
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雪原(プロフ) - ふぃおさん» 申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。修正しました！ (2017年12月22日 22時) (
レス) id: b79552e05e (このIDを非表示/違反報告)
ふぃお(プロフ) - 26話辺りから名前変換出来ていませんよ〜 (2017年12月22日 22時) (レス) id: 86fe828a4e (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 設定から書き方までツボ過ぎてやばいっすわｗ続きがくっそきになるので更新頑張ってください!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 0dc7e3ba93 (このIDを非表示/違反報告)
雪原(プロフ) - すりぴいさん» コメントありがとうございます。稚拙な文章ですが、そう言って頂けて大変嬉しいです！不定期になるかとは思いますが、精一杯頑張ります…！ (2017年9月18日 20時) (レス) id: 4141bf49c5 (このIDを非表示/違反報告)
すりぴい - ﾝﾝﾝﾝｯ！！好きです。更新頑張って下さい! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)
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