Melty sweet honey sugar.【YG】 (ページ15)

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担当医がユンギ先生に変わってしばらくの間私はずっと体調がよくて、ほかの先生や顔馴染みの看護師さんたちからは、この調子なら退院できるかもしれないと言われていた。

もしかしたら、残りの1年間はまた学校に通うことができるかも。
なんて淡い期待を抱いていたけれど、やっぱりそう思うようには行かなくて。
ある日、なんだか身体がだるいなぁと思っていたら、そこから瞬く間に病状は悪化していって、あっけなく退院の話はなくなった。

その上症状を落ち着かせるために新しく飲み始めた薬の副作用で何日も熱が下がらなくて、心身ともに限界だった私はある晩、ベッドの上で膝を抱えて泣きじゃくっていた。

そこへ巡回でやって来たユンギ先生は、私の隣にそっと腰を下ろすと、なにも言わずに背中を撫でてくれて。
その手の温かさを、私は今でも鮮明に覚えている。

YG「なぁ」

しばらく経って、おもむろに口を開いた先生。

YG「A」

その時初めて名前を呼ばれて、思わず顔を上げた。

YG「もう泣くな。余計苦しくなるぞ」

「…ごめんなさい」

YG「あぁ悪い、べつに怒ってる訳じゃないから謝らなくていい。…よく頑張ってるな、偉いよ」

照明を落とした静かな病室の中で、先生の声は流れるように耳に入ってきて心地がよかった。