戻ってきた記憶 ページ27
主side
これは、あの女の子の記憶？
この男は俺？
A「A藤四郎だ。千人斬り藤四郎とも呼ばれている。よろしく、主」
主「え、姉上？え？」
鶴丸「何だ、主。知らなかったのか？」
あ、あの白い人だ。
・・・、知ってる。
俺は、彼らを知っている。
主「Aー。助けてー」
A「書類の手伝いなら断る」
主「博多がいても？」
A「・・・ズルいぞ貴様」
主「弟だけに労働させるのは良くないよね〜。あー、博多が可哀想だなぁ」
A「ちっ。やればいいんだろう。やれば」
主「ありがとーA」
A「働けよ」
A「あ、加州」
加州「何？」
A「弟たちとばれんたいん？とらやのちょこを作ったんだがいるか？」
加州「あ、もうそんな時期？俺は今年主に何あげようかなー」
A「ちょこだけじゃないのか？」
加州「うん。手紙とか、色々」
A「手紙・・・。私も弟たちに書こうかな」
加州「お、良いじゃん」
A「やっと見つけたぞ」
則宗「うはは、見つかってしまったか」
A「全く、三時半から書類仕事の手伝いがあるから参加しろと言っただろう」
則宗「腰が痛いのでな」
A「書類仕事に腰も何も関係ないだろ」
則宗「ずっと同じ姿勢は辛い」
A「知らん」
則宗「少しは老体を労れ」
A「この体に老体も糞もない」
則宗「お前さんは真面目だなぁ」
A「主がま」
則宗「全く、人間らしくなったな」
A「は？」
則宗「お前さん、忘れてはいないだろうな。僕たちは付喪神。本来は眠っていたはずのモノだ。それが勝手に人間の手によって目覚めさせられた。僕たちが彼を"主"と呼ぶのはおかしい」
A「・・・」
則宗「もう一度、眠りたいか？」
A「馬鹿じゃないのか？眠るはずないだろ。また弟たちに会えたんだ。眠りたくないよ。それに・・・」
則宗「それに？」
A「私は彼を結構気に入ってる」
則宗「気に入ってる、か」
A「お前もいつか、そう思えるさ」
思い出したよ。
俺は、お前たちの____。
Aside
A「もう限界！」
へたへたとその場に座り込む。
薬研「お疲れさん。あの手紙にまさかそんな裏話があったとは」
鶴丸「一文字則宗の本音を聞けたな」
加州「あのジジイ、掴み所ないからなぁ」
三日月「ははは。俺の方が爺だぞ」
安定「何を競ってるの？」
主「うーん、生まれた時代的には三日月がおじいちゃん」
加州「え、」
薬研「大将？」
主「ごめん、忘れてて。ちゃんと思い出したよ。皆の事」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年2月19日 17時
