朧本丸の物語 ページ21
朧本丸の山姥切side
主「よ、よろしくお願いします！山姥切国広さん！」
それが、小さな主との生活の始まりだった。
ぐぅぅ、と主の腹の虫が鳴る。
山姥切「腹減ったのか・・・？」
主「・・・はい」
山姥切「何が食べたい？」
主「え？」
山姥切「写しの俺でも握り飯くらいは作れる」
主「あ、じゃあおにぎりで・・・」
山姥切「わかった」
主は自分より背が高いやつ・・・、特に打刀あたりの連中とは積極的に関わろうとしなかった。
俺も最初の方は怖がられた。
でも、目線を合わせるとどこか安心した様子で笑顔を見せた。
俺が初めて単騎で出陣し、重傷になって帰還した。
その時の主の顔は、どこか、悲しげで、辛そうだった。
山姥切「御守り？」
主「はい。その、折れた刀剣がもう一度復活出来るという御守りです。六個買いたいんですけど」
山姥切「わかった。長谷部や博多に伝えてくる」
主「・・・ま、まんば！」
山姥切「どうした？」
主「えへへっ」
山姥切「本当にどうした？」
主「他の本丸でそう呼ばれてる山姥切を見て、いいなーって。・・・・・・怒られなくて良かった」
山姥切「？」
主「べ、別になんでもありませんよ」
山姥切「ここでは主の自由だ。主に渾名を付けられて嫌な奴なんていないだろう。・・・あと、敬語は止めてくれ」
主「え？」
山姥切「その、距離を置かれている、みたいで」
主「まんばぁ！」
主が俺に抱きついてくる。
主「距離なんて置いたつもりないよ！まんばは僕の大切な初期刀だから！」
山姥切「ありがとう、主」
主「いえいえ。で、御守り買ってくれる？」
山姥切「ん？ああ、そうだったな。買おう」
開いていた距離が一気に縮まった気がした。
主「まんば、国俊、その・・・、お話があって」
山姥切「どうした？」
主「その、実は、僕、兄さ」
愛染「え、主さん？」
突然、主が目の前から消えた。
長谷部「絶対に主を連れて帰る」
山姥切「ああ。そして、主が言いかけていた話を聞かなくてはならない」
朧本丸第一部隊
隊長:山姥切国広
隊員:愛染国俊
:へし切長谷部
:山伏国広
:明石国行
:蛍丸
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年2月19日 17時
