メモ ページ6
泣き声を聞かれたくなくて
弱いところを見られたくなくて
必死に嗚咽を堪えた
しゃくり上げる自分の声が酷く耳障りで
呼吸を止めようとして余計に苦しくなった
枕に広がるシミを情けなく思う
私、こんなに弱かったかな
漸く収まってきた嗚咽を無視して
濡れた枕を見つめ
ぽつり、ひとつ呟く
「こんな姿、君には見せられないよ」
「生きたい…」
呟かれた彼女の本心は、初めて見せる弱音
「生きたい…!」
誰よりも強く望む彼女が何故…?
その先は言葉にならない
「まだ生きてたい!」
掛けてやれる言葉が見つからない
「皆と一緒にいたいよ!」
ぼろぼろ溢れる涙はそのままに、縋り付く彼女
今まで溜め込んできた思いは
一度吐き出されるともう止まらなかった
「やだっ!死にたくない!死ぬのは怖いよ!生きたい!」
皆の前では必要以上に強がっていた彼女は
どれだけの思いを独りで抱え込んできたのだろう
「やだやだやだ!怖いよ!死にたくない!死ぬのはいや!!」
駄々をこねる子供のように叫ぶ
もう随分と細くなってしまった指で
俺の服を握り締めて泣く彼女
「やだ、やだよ…!怖い…!生きたいよぅ…!!!」
震える背をさすり、小さすぎることに驚きと恐怖を感じた
その恐怖に気付かないフリして眉根を寄せる
もう、長くはない
そんなこと、彼女自身が一番理解してるんだろう
滲む視界でぼんやり考えていた
勉強はまぁ出来る、運動も人並み
委員会なんて面倒臭いものには入ってない
友達は少ない
無趣味で無気力
部活頑張ってる奴の気が知れない
そんな僕が初めて見つけた、本気で欲しいモノ
絶対手に入れたい
普段やる気ない分、執着するよ
だから、さ
覚悟しててね?
彼の言葉はいつも優しい
刺などどこにもないというのに
酷く私の心を穿つ
柔らかく心の蔵に突き立てられた言葉
じわじわ溶けて染みていく言葉
遅効性の毒のように
優しい言葉で柔らかく殺される私の心
ゆっくり殺されていると感じる
この感覚が不思議と嫌いではないのだ
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か○ぴす(プロフ) - 柚子sherbetさん» そゆとこ好き (2019年1月16日 22時) (レス) id: f298667544 (このIDを非表示/違反報告)
柚子sherbet(プロフ) - か○ぴすさん» せやで、ツナマヨも明太子も使いこなすよ! (2019年1月16日 21時) (レス) id: 26b1561208 (このIDを非表示/違反報告)
か○ぴす(プロフ) - おにぎりの具とか狗巻先輩ジャン (2019年1月14日 18時) (レス) id: f298667544 (このIDを非表示/違反報告)
チレク(プロフ) - 柚子sherbetさん» 此方こそ!宜しくお願いします (2018年6月17日 20時) (レス) id: c1e572521f (このIDを非表示/違反報告)
柚子sherbet(プロフ) - チレクさん» わ〜!!ありがたいお誘いありがとうございます!ぜひぜひ!宜しくお願い致しますっ!m(_ _)m (2018年6月17日 11時) (レス) id: 26b1561208 (このIDを非表示/違反報告)
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