君を探していた

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「んで？なんて作品？」

「...わかんない。」

「えっ…」

「だって、中3のときだぜ、
わかんないよ、興味なかったのに
母親がミュージカル行こって急に
言ったからさ。
なんなら、受験生の夏休みに
何連れてってるんだよ、
って苛立ってみてたんだから」

「ミュージカルの内容は？」

「わかんない。
その人しか目に入らなかったもん」

「もん…って。でたよ、たいしゅけの
ポンコツが。話進まないじゃん」

「ポンコツ、ポンコツって、
そりゃ、そうだけどさ、
渉だって、さっきからいっぱい
噛んでるけど、話進まないから
スルーしてやってるのに！」

「まぁまぁ、でもさ、ガヤさんが
中3の時の夏にあった舞台なんでしよ」

「うん。」

「なら、ガヤさんのお母さんは覚えてる
んじゃない？
受験でイライラしてる息子に
リフレッシュさせたかったんだよ！
聞こ！聞こ！、電話して」

「えっ…母親に最近連絡してないのに…」

「そうなの？俺はマミーとほぼ毎日連絡
とってるのに」

「「......。」」

宮田が恋愛できない理由は玉さんとか
二次元以外にまだ、問題がありそうだな。

「まーいいや、たいしゅけ、俺が聞いて
あげる！」

「えっ、わた、いいよ、そんな...」

「何急に怖気付いてるのさ、
俺のカミカミをスルーしてくれた
お礼にかけてやる！フンッ！
かして、携帯」

半ば強引に、渉に携帯を取られた。

「もしもし、あっご無沙汰しています。
横尾です。......、 はい、太輔の携帯を
借りまして……、えぇ、なんか…...、
恥ずかしいみたいで......」

「あー、もー、渉、携帯返して！」

「あっ......母さん、久しぶり。うん...
元気。......わかったよ、帰るよ、
たまにね。......
いや、聞きたいことあって......
愛の唄を歌おう……ね。ありがとう。
うん、また、帰れる時連絡するから。
母さんも、体に気をつけて、じゃ」

ふぅ、
親に電話するのってなんか苦手なんだよな。

電話を終え、渉と宮田をみると、
2人が何か考え込んでいた。

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