距離感 (ページ41)

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だめだ、こいつは
天然無自覚で、
周りから自分が

どう見られてるか
わかっていないんだった。

本当の意味を、
「好き」の意味を
言うのか、俺は。

今まで黙ってたのに。

北山は俺とは違う「好き」だけど、
嫌われてないことはわかった。

こんなに顔を赤くして
「好き」なんて言われたし、
ちょっと気分があがってるから
このまま、勢いで伝えてしまおうか。

Ki:「おい、違うってなんだよ」

『知りたい？どういう好きか』

Ki:「えっ、あっ、うん…」

『んじゃぁさ、
とりあえず、ご飯食べよ、
で、うち来てよ、そこで
話すから』

Ki:「なにそれ、俺、お前んち
行っていいの？」

『うん、俺も飲まないと
ちょっと言いにくいから、
さっ、続き、食べよ。
美味しそうだしさ』

俺は、北山みたいにまっすぐじゃない
から、

ちょっといきなり言うのは
怖い。

嫌われてしまったら…

でも...
お酒の力を借りたら、
言えるかもしれない。

このまま二人の時間が
終わるのは嫌だ。

うちに来てくれるよね？
北山…