第28話 バブバブ！天使の幼児化！？ 10 ページ29
「こりぇ……飲むの？」
Aの前に出された小さな小瓶。中には無色透明の液体が半分くらいまで入っている。
ラベルは、茶色く変色していて、『peligroso』と書かれている。
「さ、飲んで。元気になるからさ。」
シンの満面の笑みは危険な証拠。
だが、幼いAにその予備知識など備わっていなかった。
「さぁ、飲め。」
「んぐっっっ！！！？」
カルラに強引に小瓶の中の液体を口に流し込まれて、Aは足をバタバタさせながら飲み干した。
すると、Aの身体はみるみるうちにドレスと共に大きくなってゆく。
そして＿＿
「……ここは…何処なの？」
困惑しながらキョロキョロと周りを見渡すA。不安そうなその表情は、月浪兄弟を魅了させるには十分だった。
「やぁ、久しぶり。A。」
「やっと…再開できたな。A。」
「……シン…カルラ…」
月光が窓から差し、月浪兄弟を照らす。
目を光らせてAを見つめる彼らは、まるで獲物を見つけ出した狼のようだった。
「ねぇ、覚えてる？Aと俺や兄さんが初めて出会ったときのこと。」
「……えぇ。その時も、今日のように月があなたたちを照らしていたわ。」
＊＊＊＊＊＊
「離せっ！俺は始祖だぞ！！」
その日、天界では美しい月を眺めれるほどに月が輝いていた。
そして、その月の真下に建っている宮殿前の処刑場では天界の王・エゼルベルトが一人の子供に残虐な制裁を下していた。
「フッ……何が始祖だ。笑かすな。ただの穢れた魔界の住人がっ！」
「なんだっ…イ゛ッッ！！」
王が冷徹な表情で民衆の前で鞭打つ子供の名は、月浪シン。
彼は、天界へ無断で侵入し、天界の者たちの領地を荒らした。そして、家を焼き、家畜を殺し、食料を盗んだ。しかし、まだ子供。すぐに捕らえられてしまった。
そうして、見せしめとして民衆の前で鞭を打たれていたのだ。
ボロボロになったシンへの容赦ない制裁。
見物している民衆は、面白おかしそうに笑ったり、手を叩いたり、ヤジを飛ばしたり、これの方がもっと音が鳴ると新たな鞭を王に差し出す者もいた。
狂ってる。
シンは、得体の知れない恐怖を感じた。
今、彼の前で笑っている民衆は、また朝になれば自らは穢れなき高潔な種族だと主張するのだ。
「ハァ…さて、こうしてはおれぬ。淹れたての、ハーブティーが冷めてしまう。」
エゼルベルトはそう呟くと隣に置いてあった斧を振り上げる。
「い、嫌だ！や、やめろっ！」
シンに向けて斧は降った。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね！私逆ハー大好物なので嬉しいです！ディアラバのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月16日 11時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アイリーン - 月浪兄弟のカルラの一人称は【私】でシンは【オレ】です (2018年8月9日 16時) (レス) id: 1474bc4c9d (このIDを非表示/違反報告)
らぶりー - 私はクリスチャンではないのですが気になる部分があったので書き込みます。お祈りの「私も人を許します」の部分なのですが、まず許すではなく赦すです。そして神は人が人を赦すことを良しとしていません。そして皆ではなく御名です。 (2016年12月21日 19時) (レス) id: 5fe65dcde7 (このIDを非表示/違反報告)
柚流葉(プロフ) - 続編出来ました！これからもよろしくお願いします(^o^) (2016年1月12日 18時) (レス) id: 0b1b6bc3c3 (このIDを非表示/違反報告)
柚流葉(プロフ) - 瀬羅様 ありがとうございます！ (2016年1月12日 18時) (レス) id: 0b1b6bc3c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚流葉 | 作成日時：2015年3月10日 23時
