第17話 ハラハラ！無神兄弟、現る！！ 4 ページ18
「さぁ、どうぞ。」
Aは、自ら淹れた紅茶を四人に差し出す。
部屋中が、ダージリンの柔らかな香りに包まれている。四人は、その香りを楽しみながら余韻に浸る。
「なぁ、カーラ。」
「ん？どうかしたの？」
ユーマは、眠たそうな目をしながらAを見つめる。Aを呼ぶ声は、まるで何時ものぶっきらぼうなモノではなく、少し控えめな声であった。
「こうやっていたらよ……昔を思い出さねぇか？」
「そうね……」
ユーマが思いを馳せている在りし日の思い出は、まだユーマがヴァンパイアになりたての幼い少年であった頃のことだった。
＊＊＊＊＊＊
在りし日のとある花が咲き誇る屋敷にて
「今日は、ダージリンを淹れたわ。クッキーも焼いたから、良かったら召し上がって？」
今と姿が変わらないAは、優しい笑みを浮かべながらティーカップを四人の少年に差し出す。四人の少年達は、目をキラキラと輝かせていた。
「ありがとう……ございます。」
ルキは、久しぶりの紅茶をゆっくりと礼儀正しく飲む。さすがは、元貴族の子である。
「クッキー美味しい！！マードレのクッキーは最高！！」
そう言いながら、クッキーを頬張るのは幼少期のコウ。オッドアイの目が、柔らかく三日月の方に曲がった。
「……美味しい。…ユーマ、飲まないの？」
アズサは、紅茶を念入りに冷まして一口飲む。だが、ユーマの異変に気がつき心配そうに見つめる。
「……ん…あ、いや……その…」
ユーマは、湯気を立てる紅茶越しにテーブルの上をキョロキョロと見渡す。
「あら？どうしたの、ユーマ。」
Aもユーマの異変に気がつき、心配そうに聞く。
すると、ユーマは俯いてしまった。
耳が真っ赤になっている。Aは、調子が悪くなったのではと慌てる。
「シュガーちゃんが……欲しい。」
「まぁ！」
ユーマは、みんなが普通にダージリンをストレートに飲んでいるのに、自分だけシュガーを入れるのは恥ずかしいと思っていたのである。
ユーマは、申し訳なさそうにAを見上げた。
「ご……ごめん…。」
すると、Aはニッコリと笑ってユーマの頭を撫でる。
「いいのですよ。私こそ、気が利いていなくて申し訳ないわ。」
ユーマは、Aにクシャッとした笑顔を見せた。
「A、ありがとう！！」
＊＊＊＊＊＊
Aはクスリと笑って、現実に戻る。
そして、あの時と同じ様にユーマの頭を撫でる。
「な！？」
ユーマの顔は真っ赤に染まってゆくのだった。
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もこ(プロフ) - 初コメ失礼しますね！私逆ハー大好物なので嬉しいです！ディアラバのキャラ全員推しなので嬉しいです！更新頑張ってくださいね！ (2023年4月16日 11時) (
レス) id: 3b02df20c8 (このIDを非表示/違反報告)
アイリーン - 月浪兄弟のカルラの一人称は【私】でシンは【オレ】です (2018年8月9日 16時) (レス) id: 1474bc4c9d (このIDを非表示/違反報告)
らぶりー - 私はクリスチャンではないのですが気になる部分があったので書き込みます。お祈りの「私も人を許します」の部分なのですが、まず許すではなく赦すです。そして神は人が人を赦すことを良しとしていません。そして皆ではなく御名です。 (2016年12月21日 19時) (レス) id: 5fe65dcde7 (このIDを非表示/違反報告)
柚流葉(プロフ) - 続編出来ました！これからもよろしくお願いします(^o^) (2016年1月12日 18時) (レス) id: 0b1b6bc3c3 (このIDを非表示/違反報告)
柚流葉(プロフ) - 瀬羅様 ありがとうございます！ (2016年1月12日 18時) (レス) id: 0b1b6bc3c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚流葉 | 作成日時：2015年3月10日 23時
