7《事の発端》 ページ7
さて。
誰もが羨む美男美女カップルの、山田三郎と佐藤茉由。
その片割れである山田三郎が、才色兼備の恋人を持ちながらもこの冴えない女子中学生、AAの手を引いているという状況は如何なるものなのか。
友達同士と言えば聞こえはいい。どうせなら2人とも、友達に戻りたかった。
Aと三郎の間に、一体何があったのか。
長くなるが、その経緯を語ることにする。
＊＊＊
事の発端は、まだ私たちが最高学年に進級したばかりの頃。
今やこんな軽口叩き合えるくらいに打ち解けた私たちだが、実は知り合ってからまだ3ヶ月ほどしか経っていない。
3ヶ月という短い時間にも関わらずここまで仲良くなれたのは、至極単純に、お互いの気が合ったからなのだろう。
私たちは一緒にいられるだけで、幸せだったのだ。
そうか、あれからもう3ヶ月。そろそろ夏休みに入るのか。
受験生の夏と言われるぐらいだから、そろそろ勉強にも本腰を入れなくては。
話題が逸れてしまった。話を戻そう。
私たちは最初、進級後偶然同じクラスに、そして2回目の席替えでたまたま席が隣同士になっただけの仲だった。
噂では、山田三郎は非常に頭が良く、そのせいかかなり近寄り難いオーラを放っているらしい。
いつもひとりでいるし、話しかけに行く人間を冷徹な視線だけで殺していくとか。
もちろん先生の前や授業中では優等生を演じきっているから、そういった方面からの贔屓のされようはすごい(実際優等生なのだが…)。
そんな彼を誰もが、「慇懃無礼だ」と陰で罵っていた。
実際隣の席で初めて小さな挨拶を交わしたとき、「へーそうなのか」程度にしか思っていなかったその噂の信憑性がみるみるうちに高まるのを感じて。
相手のことなどまるで信用しきっていない冷ややかな瞳。見下すような態度。正論しか吐かない唇。
ああ、なるほどなと思った。
だけど、彼の見てくれの良さに息を詰まらせた私は、少しだけ期待してしまったのだ。
いつか、この人と仲良くなれる日が来るんじゃないかと。そして私自身、彼と仲良くなりたいと思っていた。
でもそんな心の内を見透かされたのか、彼は最初の挨拶以降一切私と口を聞いてくれなくなって。
だからもう、彼とコミュニケーションをとることは半ば諦めかけていたのだが。
あることをきっかけに、彼の私に対する態度は一変したのだった。
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美月(プロフ) - れいさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…！そう言っていただけるとすごく力になります。続編の更新頑張りますね。今後の展開も楽しみにしていてください！ (2020年4月26日 20時) (
レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
れい - 素敵な話です。こういう話大好きです。言葉の表現の仕方も素敵で読む手が止まりませんでした。今まで一番好きな小説です。これからも応援してます！更新楽しみにしてますね！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: b42eb02cf2 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - ぱあたんさん» こんにちは。嬉しいお言葉をありがとうございます！(; ;)これからも楽しんでいただけるよう、更新頑張ります！ (2020年4月25日 13時) (レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
ぱあたん(プロフ) - 気になったので読んでみましたがとっても面白くて読む手が止まりませんでした！これからも応援させて頂かきます！ (2020年4月25日 6時) (レス) id: 5f3f43ce15 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - ハネムさん» こんばんは！乱数くんの小説でもコメントくださりありがとうございました。タイトルの意味もキャプションもお話もかなりこだわっているので、そう言っていただけて嬉しいです！(; ;)更新頑張りますね！ (2020年4月24日 23時) (レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年4月23日 20時
