26一郎side《女の子の友達》 ページ27
「よし。もうこの話終わりな。ところで二郎。お前、明日の朝練早いんだろ？ そろそろ風呂入って寝る支度したほうがいいんじゃねーのか？」
「ん…そうだね、もうこんな時間か。俺、風呂入ってくるよ」
食べ終えた食器を持ってシンクに持っていき、腕をまくり始めた二郎の腕を、俺は片手で止める。
「ああ。食器は俺が洗っとくから。お前は早く風呂入ってこい」
「え。に、兄ちゃん。いいのか？」
「兄貴が直々にそう言ってんだ。遠慮なんかすんなよ」
「っ、じゃあお言葉に甘えて…ありがとなっ、兄ちゃん！」
二郎の無邪気な笑顔を見て、俺の胸はまたジーンと熱くなる。
ああ……やっぱり俺の弟は、まじで可愛いっ！！
二郎の背中を見送ったところで、まだ食事の終えていない三郎に向き直る。
こいつは、俺が二郎を先に風呂へ促したことを訝しげに思っているらしかった。
まあ、そうなるだろうな。
俺はそうした理由を語る代わりに、気になっていたことを彼に問いかけた。
「んで、三郎。お前の新しい友達って、一体どんな奴なんだ？」
「え…えぇっ？ は、はい。ええっと…」
三郎は俺の唐突な質問に目を丸くしたものの、しっかり答えを出そうと、真剣に言葉を選び始めた。
別に二郎がいる前でこれを聞いても構わなかったんだが、さっきみたいに言葉のあやで喧嘩ばかりされるとキリがないからな。
それに、二郎が明日部活の朝練があるのは本当のことだったし、まあ、これでいいんだろう。
二郎も、いつかこいつの友達の話を聞けたらいいな。
やがて三郎は、ゆっくりと語り始める。
「僕の友達…彼女は、とても不思議な人なんです」
「おーそうかそうか……え？(彼女？)」
一言目から衝撃を受けてしまい、思わず咳払いをする。
いや落ち着くんだ。
なるほど、異性の友達…うんうんよくあることだ。俺も昔、左馬刻の野郎の妹と仲良くしてたことあるし…
でも、三郎が女の子と話しているところなんて想像がつかないから、少し意外だな。
俺がひとり考えを巡らしていることに気づかないまま、三郎は話を続ける。
「彼女と一緒にいるだけで、胸の辺りがポカポカしてくるんです。僕、今までそんな感覚知りませんでした。きっとこれが、友達のそばにいることのメリットなんですね」
「……」
「？ 一兄？ どうしたんですか」
「ん？ ああ、いや。良かったなぁ、いい友達ができて」
三郎…お前もついに。か。
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美月(プロフ) - れいさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…！そう言っていただけるとすごく力になります。続編の更新頑張りますね。今後の展開も楽しみにしていてください！ (2020年4月26日 20時) (
レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
れい - 素敵な話です。こういう話大好きです。言葉の表現の仕方も素敵で読む手が止まりませんでした。今まで一番好きな小説です。これからも応援してます！更新楽しみにしてますね！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: b42eb02cf2 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - ぱあたんさん» こんにちは。嬉しいお言葉をありがとうございます！(; ;)これからも楽しんでいただけるよう、更新頑張ります！ (2020年4月25日 13時) (レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
ぱあたん(プロフ) - 気になったので読んでみましたがとっても面白くて読む手が止まりませんでした！これからも応援させて頂かきます！ (2020年4月25日 6時) (レス) id: 5f3f43ce15 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - ハネムさん» こんばんは！乱数くんの小説でもコメントくださりありがとうございました。タイトルの意味もキャプションもお話もかなりこだわっているので、そう言っていただけて嬉しいです！(; ;)更新頑張りますね！ (2020年4月24日 23時) (レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年4月23日 20時
