22《おもてなし》 ページ22
「ははは、ほら三郎。その辺にして、Aにお茶用意してやってくれ」
「っ、…はい。一兄」
一郎さんに宥められた三郎くんがしぶしぶ私の頭から手を離すと、そこに座ってて、とキッチン横のリビングソファを指さされる。
言われた通りソファに腰かけてから気づいたのだが、私、今一郎さんにとってもナチュラルに名前呼びされてしまった。
さては彼…スパダリだな！？(知ってた)
てか、このソファすごく山田くんの匂いするっ！
ふかふかの感触に心を癒していると、山田くんが三人分のお茶を持ってきて。
ソファのすぐ真ん前にある小さなテーブルの上に、三つのマグカップが並べられた。
「はい。赤は一兄の、そのピンク色のが、お前の」
「山田くん、ありがとう」
色とりどりあざやかなマグカップに、温かな紅茶が注がれている。
ほくほく湯気が立つ水面にふーふーと息を吹きかけて口をつけると、ハーブの香りがそっと鼻腔をくすぐった。
「うわあ…美味しい」
「良かった。うちの常連さんからの頂き物なんだよ」
「へえ、気の良いお客さんなんだね」
「うん。依頼の報酬はちゃんと頂いてるのに気持ちだから、って…本当にありがたいことだよ」
山田くんもそう言いながらカップのふちに口をつけると「あつっ」と眉をひそめた。
その姿があまりのもあどけなかったから、顔を覗き込んで少し意地悪なことを言ってみようと思った。
「ちゃんとふーふーしなきゃ駄目ですよぉ？」
「うっせ」
ああ、いつも通り。
さっき一郎さんも交えて三人で会話したおかげかな。山田くんが、またいつもの山田くんになった。
「おーい三郎。お前らどこで勉強すんだ？」
一郎さんがキッチンから声をかけてきて、山田くんは「リビングで大丈夫です」と答える。
「それ飲みながらでいいから、そろそろ勉強始めるよ。教科書開いて」
「う"っ…忘れるところだった」
「忘れるなよ馬鹿」
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美月(プロフ) - れいさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます…！そう言っていただけるとすごく力になります。続編の更新頑張りますね。今後の展開も楽しみにしていてください！ (2020年4月26日 20時) (
レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
れい - 素敵な話です。こういう話大好きです。言葉の表現の仕方も素敵で読む手が止まりませんでした。今まで一番好きな小説です。これからも応援してます！更新楽しみにしてますね！ (2020年4月26日 19時) (レス) id: b42eb02cf2 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - ぱあたんさん» こんにちは。嬉しいお言葉をありがとうございます！(; ;)これからも楽しんでいただけるよう、更新頑張ります！ (2020年4月25日 13時) (レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
ぱあたん(プロフ) - 気になったので読んでみましたがとっても面白くて読む手が止まりませんでした！これからも応援させて頂かきます！ (2020年4月25日 6時) (レス) id: 5f3f43ce15 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - ハネムさん» こんばんは！乱数くんの小説でもコメントくださりありがとうございました。タイトルの意味もキャプションもお話もかなりこだわっているので、そう言っていただけて嬉しいです！(; ;)更新頑張りますね！ (2020年4月24日 23時) (レス) id: 37bdf40b5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美月 | 作成日時：2020年4月23日 20時
