8.恋、ひとつ。 かわ ページ14
.
それは寒い日の閉店の時だった。
.
「お疲れ様です店長さん！まかないのパンケーキ美味しかったです！！それじゃあまた！」
『はいはい、気をつけてねばいばい。』
最後の店員が雪景色に溶けていくのを見送って一息つく。
大阪のくせに雪降るの辞めてください
自分の店を作って早2年。もう24歳。私、結婚したいです。
心の中でポエムを作り自分で呆れてる。
昔は結婚して、真っ白い雪のようなウェディングドレスを着て新郎にベールを脱がせてもらう。なんて、考えたもんだ。
だからって、恋をしてない訳では無い。
恋をしてるのだ。常連に。
寒そうに白い息を吐きながら笑顔をむける常連さんに。
いつもパンケーキやガトーショコラ等沢山食べてパソコンを開いている男の人。
椅子に座りながら窓から外を眺める。
雪が降ってる道路を駆け出していく人、恋人と手を繋ぐ人、友達とはしゃぐ人。
常連さんはいっつもヘッドホンをしててオレンジの服を着てたよなぁ…あ、あの人みたいに。わ、すごい似てる…似てる……ん？
あの人では！？？
思わず走ってドアを開けてしまう。
目が合った。
「あ、…まだやってますかね？もう…閉店ですよね？」
思わず口走る。
『っあ、大丈夫ですよ、入ってください。寒いでしょう』
にこりと笑って常連さんから目を離し店に戻る。
やばい言ってしまった。
『…こちらへどうぞ。』
手でテーブルを差して常連さんの動きを見る。
「ありがとうございます。…え〜と、あの…」
『…ハッピーパンケーキとガトーショコラ、オレンジジュースでしょうか？』
そういうとぱちくりと目を動かす。
「よく、分かりましたね！！んふふ、嬉しいなぁ」
『常連さん…なので。』
「…常連さんてなんか面白いな。ロボロって呼んで。」
あ、好きな人の名前知った時こんなに嬉しいんだ。やばいなぁ。はっぴー。
『ロボロ、さん。…少々お待ちください。』
ぎこちない笑顔でロボロさんにそう伝えてキッチンに行く。
ロボロさん。
その発音全部がなんだか特別に思えて頬が緩む。
キッチンから覗いたロボロさんは寒そうに手をさすりながら辺りをキョロキョロと見渡してて、
早く、届けてあげたいな。って思ってしまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小雨 - あけましておめでとうございます。本当にお二人の小説は終始発狂しつつ読ましていただいております、ええ。相変わらずぐるちゃんは可愛いと。この人にならプリンあげてもいい (2019年1月2日 23時) (
レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 小雨さん» 遅くなってしまいすみません！！ありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！素人が小説を投稿するのは色々悩んだりするのですっごく励みになります、本当にありがとうございます！！ (2019年1月2日 9時) (レス) id: 6df2bbbd20 (このIDを非表示/違反報告)
かわ(プロフ) - 小雨さん» メガネさん無事でよかったです…！！年末年始どちらも暇なんでね更新するしかないですよ…ほんと、多分ですけど。大好きなんて言って貰えて本当に嬉しいです！コメントしてくださるだけでも凄く嬉しいので！ (2019年1月1日 15時) (レス) id: a51cde5cd0 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 待って今気づいた、お二人はだい好きな作品かいてる人だったわ、そんな人からコメント返信してもらったとかやばいな... (2018年12月31日 21時) (レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - メガネは無事です！年末も素敵な作品ありがとうございます(年始も期待) ちなみにコーヒーは飲めません(どーでもいい) (2018年12月31日 15時) (レス) id: be8669dcb5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：@眠猫。 x他1人 | 作成日時：2018年12月4日 18時
