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微睡みと遠雷。 ページ10

目を覚ますと、冷や汗で額が濡れているのに気付いた。


また嫌な夢を見てしまった。いい加減昔の事は忘れたいと思っているが、忘れようとしても過去はいつまでも追いかけてくる。過去という名の亡霊たちは彼を絶対に許しはしない。追いかけて、捕まえて、闇に引きずり込もうとしてくるのだ。血塗られた道で歩を進める度、足枷は増えてゆく。いつかその呪縛から解き放たれる時が来るのだろうか?いや、自分が誰かの足枷になるのがオチだ。



小屋の窓から見えるのは自分の気持ちと同じようにどんよりとした空と麦畑。遠くの方で雷の音がする。
あまり寝れていないような気がしてテーブルの上にある時計に目を向けた。短針は2を長針は4と5の間あたりを示しているが、秒針が動いていない。時計はあてにならないようだ。こんな事ならこの間の見たい夢が見られる絵を飾っておくんだった、と重い体を起こして部屋を出る。



「おはよ、今起こしに行こうと思ってた」



「アイツらは」



「天候のせいで遅れてるみたい、夜には着くって」



エプロン姿でキッチンに立つA。テーブルの上にはほぼ完成に近い朝食が2人分。後は彼女が今焼いている目玉焼きぐらいだろう。簡易的なログハウスにしてはキッチンもシャワーも良いもので使い勝手がいい。いつの間にこんな場所にアジトを作ったのかは知らないが、一人で来る分にも良さそうだ。



「あの…さ?」



「なんだ」



「近くないかな?」



回らない頭で考え事をしていたためか、自然と彼女の後ろに立っていた。



「あんまり見られるとつくりにくいって言うか…」



「変なもの入れてないかちゃんと見とかねえとな」



「失礼しちゃうなぁ、これでも調理学校とか通ってたりしたんだよ?」



次元が言いたいのはそういう意味の変なものでは無いだろうが、彼女は別の意味で受けとったようだ。



「へえ、お前さんが調理学校?一体なんのために?」



「花嫁修業です」



「ハッハッハ、そいつはおもしれえ冗談だ」



「冗談じゃないし!本気だよ!」

微睡みと遠雷。2→←泥棒は夢を見るか。6



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設定タグ:ルパン三世 , 次元大介 , 次元   
作品ジャンル:アニメ
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おすし - Part3私も結構好きなんですよね。私は最近原作の絵が気に入ってます。脚短いの、分かります笑 アニメシリーズだととてつもない長さのありますからね笑 更新楽しみにしてます! (2020年3月8日 15時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)
くろまめ(プロフ) - おすしさん» コメントありがとうございます!あとがきのまえがきまで見てくださって....作者としても大変嬉しいです。やはりどのテレスペ、映画を見ても同じシリーズだと思えない程色々と差異がありますよね。私は最近カリオストロをみると「脚短いな〜」と思います(笑) (2020年3月7日 22時) (レス) id: ce0f0d03f0 (このIDを非表示/違反報告)
おすし - 長文お邪魔しましたm(_ _)m (2020年3月1日 18時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)
おすし - 楽しく読ませて頂いています。私も初めて観たのが『カリオストロの城』でしたね〜。その次に観たのが『隠された空中都市』で同じシリーズだという事に驚きました。次元大好きなので楽しく読ませて頂いています。あとがきのまえがきを更新と共に楽しみにしてます笑 (2020年3月1日 18時) (レス) id: ecd32e4b78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろまめ | 作成日時:2019年12月31日 22時

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