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婚約者……
10年以上なんも連絡しなかったのに、なぜ今頃？
……確かに轟と結婚出来るってなったら嬉しいのかもしれない
私が彼と仲がいいとかそういう私情はおいといてでも、
轟焦凍は偏差値78の雄英高校推薦入学者で、インターンはNo.1ヒーローのエンデヴァー事務所＿
顔よし性格よし性格よしのフルコンボみたいな男だ
そりゃ私が婚約者だったら、そして好きな人も彼氏もいなかったらしたいって言うかもなぁ……
………あ、
｢そういうこと？｣
｢？どういうことだ？｣
｢いや…あのさ、もしかして婚約者のお嬢さん、轟のことテレビとかで見て好きになったのかなぁって｣
｢え｣
｢だって、轟って性格よし顔よしスタイルよしのフルコンボじゃん｣
｢？？なんて？｣
｢そりゃそんな人と昔結婚の話が出てたって知ったら｢その時の婚約の約束ゴリ押ししてきて！｣ともなっちゃうかもなぁ……という推理をしてみた｣
ピシッと人差し指を立てれば轟は目を丸くした
｢……そうか？俺そんなふうに思われるほどいいもんじゃねぇ
それに俺の家は……｣
｢轟が魅力的だからだよ！｣
長いまつげをふせて少し悲しげな顔をした轟にそう断言すれば轟は照れたように首に手を当てて目を逸らしがちに口を開いた
｢……ありがとな、A｣
｢ホントのこといっただけだよ｣
にっこりと笑いかけ、すぐにまた対処法を練るためにする頭を回す
どうすればこの婚約は破棄できるんだろうか……
｢……あ、そうだ
諦めさせればいいんだよ！｣
｢？｣
もう一度ピシッと人差し指を立てて轟につきつけた
｢彼女を作ろう、轟！｣
｢彼女……？｣
｢偽でもいいから！｣
｢え？｣
｢そんでその婚約者に向かって｢俺はこいつと以外結婚する気はねぇ｣って言っちゃおう。嘘ついても仕方ないよこの際｣
これがきっと1番手っ取り早いのだと思う
相手の家もこれだけすれば諦めるだろう
｢なるほどな｣
｢うんうん、まぁこの作戦は轟さえよければなんだけどね｣
｢…………いや、Aさえよければ、だろ｣
｢はい？｣
謎の発言をした轟を見ると、こっちを真っ直ぐと見ていた
轟の色違いの瞳に私の顔が写っているのが分かるほど凝視されている
｢A、俺の彼女になってくれねえか？｣
｢……っえ……｣
またもや爆弾発言に一瞬思考が停止する
｢…………｣
｢A？｣
｢えっええ〜〜〜！？！｣
｢声でけぇ｣
｢それはごめん！｣
すっ、と差し出された轟の右手
これは……こ、この状況は……い、一体……？？
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作者名：月亜 | 作成日時：2022年10月30日 20時
