松島くん、拾いました。2

あの子。 ページ28

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翔｢......。...さん、明花さん！｣



｢ぁ、はい、すみません！｣





名前を呼ばれてはっと顔を上げると、眉毛の下がった櫻井先生と目が合う。



いけない、心配なんて掛けてられないのに。






｢ごめんなさい、ちょっと色々考えちゃって。｣




翔｢いいえ、何も無理することはないですからね。


先程風磨が目を覚ましたそうです。...どう致しますか？お話、されますか？｣



｢え...。｣




いいの？話せる状態なの？



傷つけてしまわない？ただでさえ精神状態の良くない時なのに。





翔｢じゃあ、聞いてきますね。風磨が話したいと思っているのかと、話せる状態なのかと。すぐ戻りますので。｣



｢ぇ、あ、...｣





ぺこり、と軽く会釈をした櫻井先生は私をこの可愛らしい部屋に置いてきぼりにしてしまった。




病院なんて、風邪を引いた時かお兄ちゃんの怪我でお見舞いに来たくらいで、こんな大きな病院はほぼ初めてだ。






仮に風磨と話が出来たとして。



風磨と今まで通りでいれる自信は？


あの子がせっかく隠していたことを聞いてしまったのに。



あの子のプライドをズタズタにしてしまうんじゃないのかな。



あの子、なんて言ったら怒るかもしれないね。




ねえ、風磨。私は風磨がどんな人であろうと離れるつもりはないよ。




寂しいからさ、そんなに大人になろうとしないでよ。少しくらいは弟扱いさせてよ。






翔｢明花さん。｣



｢ぁ、先生。風磨は...？｣



翔｢軽く診ましたが、今の所は落ち着いています。会話も成立しますし、彼が明花さんと話がしたいと言っていました。


...どう致しますか？お話されますか？｣





無理はしなくていいと先生は言っているんだろう。



私が落ち着いていない状態で話をすることは、風磨にもきっと良くないことだから。






｢...はい、お願いします。｣

ごめん。→←変わらず。

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