釘崎と同郷の女の子は考え方もちょっと変 [呪術廻戦]

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人のいない東京の街中を駆けていく。向かうのは騒ぎの中心、渋谷。そこにある遠目から見てもわかるくらいの大きな黒い幕、帳の中に私は体を突っ込んだ。

帳を抜けた先でドンっと勢いよく誰かにぶつかった。そちらをみると、コスプレ姿の男性が尻餅をついていた。

「イッテェな！！」

舌打ちをし、苛立た様子で私を男は睨みつけた。

周囲を見渡すと複数の人間が帳を叩きながら口々にここから出せ、五条悟を連れてこいと叫んでいる。

「五条悟を探しているの。」

一般人らしき人物達から出された五条の名前に驚きそう聞く。立ち上がった男は「あぁそうだよ！！」と声を荒げながら言った。

「五条が誰か知ってるんだったら早く連れてこい！！ここから出せ！！」

男はそう言って私に掴みかかろうとしてきた。呪力も何もない手、本当に一般人だ。ということはきっと五条悟が誰かもわかっていない。誰かが言った五条の名前がこの混乱の波に乗って人々の中で伝染しているだけだろう。

そしてこの男が私に手をあげているのは怖がっているから。もう善悪の判断もつかないくらい、錯乱してしまっているのだろう。

だとしても邪魔だ。

私は足を振り上げ回し蹴りを相手の耳にたたき込んだ。

ドカッと大きな音を立てて男が横に飛んだのを見て周囲の人間が悲鳴をあげ身を引いた。私を中心に人が描いた半円が出来上がる。

「それで。」

円を構成する人々一人ひとりに目を向けながら、私は聞いた。

「あなた達を閉じ込めた奴は今、どこにいるの。」

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