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眩いばかりの日差しと、それに照らされる狛犬の石像。規則正しく敷き詰められた石畳に、風に揺れる木漏れ日と私の髪。

ここはいつか私、野薔薇、伏黒くんの3人で座って話をした境内だ。そこでは私は一人、膝を抱え、息を潜めていた。誰にも見つかりたくない。そんな思いで私は腕の中に顔を埋めていた。

不意に風が強く吹いた。そしてすぐそばで誰かが着地する音が聞こえた。

「……今は、来て欲しく、なかったな。伏黒君。」

「悪ぃ。」

術式で呼び出した鵺を解除しながら、伏黒くんはそう言った。大方、鵺の翼を借りて上空から私を探したんだろう。

「わざわざ、術式まで、使った、の?」

「小松の呪力は辿りづらいんだよ。」

伏黒君はそう言った。

「すごく、小さいもんね、私の、呪力は。」

自分で言って、私は先ほど野薔薇に言われたことを思い出し、下を向いた。

「……野薔薇に、昔言われた、から、知ってる。」

言い訳のように、私はそう言った。

「呪術師に、なりたいって、言ったときに、野薔薇に言われた、の。あんたには、向いてないって。私の呪力、そこらへんの、呪霊、よりも、弱いんだって。」

「……小松はなんで、呪術師になろうと思ったんだ。」

伏黒君は石階段の上に座った。私と二人分くらいのスペースを開けて。近すぎず、遠すぎない。ちょうどいい距離だった。

私はその距離感に安心して、口を開いた。

「野薔薇と、一緒にいたかったの。野薔薇は、あの村が嫌いで、だから、東京で呪術師に、なるって、言うから。」

伏黒君は少し黙ってから、口を開いた。

「後悔してるか?」

「こう、かい?」

私が聞き返すと、伏黒君は「するだろ、普通。」と続けた。

「呪術師っていうのは生半可な仕事じゃない。死ぬ覚悟をしなくちゃいけねぇような世界だ。そんなところに、釘崎の為とはいえ来ちまったなら、一回くらい考えるだろ。ついて来なけりゃよかったって。」

私は伏黒君の言葉を心の中で復唱し、探った。本当は心のどこかに、そんな考えや思いがあるのかを。

そして私は首を横に振った。

「ないよ。」

私は息を吸った。

「本当に、してない、よ。後悔。」

もし、と保険をかけながら私は続けた。

「もし、私が後悔する、なら、それはきっと、野薔薇と、離れたとき、だったと、思う。」

そういうと、伏黒君は珍しく笑いながら、私を見た。

「なら、もうわかってんだろ。小松がするべきこと。」

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しょーどくえき - わ!すっごくおもしろいです!続きがとても楽しみです!頑張ってくださいね! (2021年6月20日 16時) (レス) id: 5790125387 (このIDを非表示/違反報告)
猫かぶり - 今は死滅回遊ですよ!!!続きがとても楽しみです!!! (2021年5月21日 20時) (レス) id: 94bc23990d (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 無気力なおバカさん» コメントありがとうございます!この展開は読者様には不評かも、なんて考えている折だったので、これからの展開が楽しみというお言葉に救われました!更新頑張ります。 (2021年1月2日 23時) (レス) id: c6d1d3b3eb (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 糸野さん» コメントありがとうございます!スリルのあるなんて素敵な言葉をいただけて嬉しいです。更新が滞っていますがこれからもドキドキさせられるよう頑張ります! (2021年1月2日 23時) (レス) id: c6d1d3b3eb (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです。これからの展開がすごく楽しみです。キャラ達の関係とかもすごく好みです。更新頑張って下さい! (2021年1月2日 3時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月28日 17時

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