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「あんたさ。」

数秒の沈黙ののち、野薔薇は私を口を開いた。

「前から思ってたけど、説明下手すぎ。何言いたいのかわかんないわよ。」

呆れたように野薔薇はそう言った。そんな野薔薇に、私は笑った。

「ふふ、野薔薇は、手厳しい。」

「でも、あんたが私の心配してくれてるのはわかった。ありがとう。」

そう言って、野薔薇は綺麗に笑った。

「でもねえ、あんたの方が弱いし、その上危機管理能力ないんだから、私の心配する前に自分の心配しなさい。」

野薔薇の言葉に、私は何度も頷いた。

「よろしい。じゃ、行っておいで。何かあったら叫ぶんだよ。」

「うん。野薔薇、も。頑張って、ね。」

私は彼女に手を振って、廊下の奥へと進み始めた。野薔薇も野薔薇で、階段をもぼり始めたようだ。

「さて、と。」

私は中枢。一番奥の部屋の扉から開けた。

ギィッと、扉の開く音が響き渡る。こういう金属の音は、なかなか耳に馴染まない。

「野薔薇の釘の音、何度も聞いてるはずなのに、なぁ。」

ぞわり、と嫌な気配が私の体に入り込んでくる。今の音で、彼らを起こしてしまったようだ。

この建物には呪いがいっぱいだ。特にこの部屋には、ネズミの形をした呪いが、あちこちに。

「あなたたちも、このの音は、嫌い?」

私が呼びかけた瞬間、呪いたちは一斉に私を目掛けて飛びかかってきた。複数の目、ギザギザの牙、緑色の体。おそよ生き物とは思えない、禍々しい見た目。これの気持ち悪さにはとっくに慣れてしまったな、と自傷的に笑った。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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