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虎杖君はまるでスパイ映画のスパイのように、廊下の角やドアの横に隠れながら中を探索しているけど、野薔薇と私は普通に歩いている。

「あー、だ〜る。なんで東京きてまで呪いの相手なんか。」

「は?呪い払いにきたんだろ?」

虎杖君の言葉に、野薔薇は振り返った。

「時短時短。二手に分かれましょ。私は上からワンフロアずつ調べるから、あんたは下から。Aはどっからでもいいわ。さっさと終わらせてザギンでシースーよー!」

「ざぎん、しーすー。」

「銀座で寿司ってことよ。」

「へー。」

言葉の意味が掴めず野薔薇の言葉をそのまま繰り返していると、野薔薇がそう教えてくれた。銀座、たしかに野薔薇から一回は聞いたことあるかも。

「ちょっと待てよ。もうちょい真面目に行こうぜ。呪いってあぶねーんだよ。」

虎杖君の言葉に、野薔薇の視線が鋭くなった。あ、と思った時にはすでに遅い。野薔薇は虎杖君に蹴りをかましていた。

「最近までパンピーだったやつに言われたくないわよ!さっさと行けー!」

野薔薇の調子を眺めながら、私は二人に「先行くよー」と声をかけて階段を登り始めた。野薔薇と一緒に上から攻めるか、もしくは間をとって真ん中あたりのフロアから行くか。

二人がそれぞれ別れるなら、真ん中をせめて、状況を見て上階、下階に移動するのがいいかも。そう考えて私は建物の中枢あたりの階の廊下に出た。

途中、追いついてきた野薔薇と出会った。このまま上の階に行くという野薔薇に、私は声をかけた。

「ねえ、野薔薇。」

「なに?」

「……気をつけて、ね。」

私は建物の天井を見ながら行った。

「ここは……東京は、大きな森、だから。強いのも、弱いのも、いっぱい。わたしたちのところ、は、こってりだけどちょびっと。けど、ここは、弱肉強食で、生存戦略が、大事。……油断大敵、だよ。」

上げていた首を下ろし、野薔薇を見ると野薔薇は私の言葉を聞いて、黙った。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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