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「え?」

歌姫先生の乾いた声が部屋に響いた。

「団体戦終了……?しかも全部赤色!!」

札が赤く燃えた。それはそれぞれの札に対応する呪霊を東京校の生徒が祓ったという意味になる、だけど。

「妙だな。烏達が誰も何も見ていない。」

試合の監視のために烏を操っていた冥冥さんがそう言った。

「……GTGの生徒たちが祓ったって言いたいところだけど。」

五条先生は私の肩を掴んでいた手の力を緩め、そのまま私の肩をぽんぽん、と叩いた。その叩き方が存外優しくて私は驚いた。五条先生の方を見るが、五条先生は燃える札の方を見ていて、けして私の方を向いてはくれなかった。

「未登録の呪力でも札は赤く燃える。」

学長が続けて言った。

「外部の人間……侵入者ってことですか?」

歌姫先生は気を持ちなをしたのか、先ほどよりも鋭い顔つきでそう言った。

「天元様の結界が機能してないってこと?」

「外部であろうと内部であろうと、不測の事態には変わるまい。」

楽巌寺学長が低い声でなめらかに言った。彼の言っていることが正しいことは、私にもわかった。

「俺は天元様の所に。悟は楽巌寺学長と学生の保護を。冥はここで区画内の学生の位置を特定。悟達に逐一報告してくれ。」

学長の言葉に冥冥さんは快く返事をした。

「ほらお爺ちゃん散歩の時間ですよ!!お昼ごはんはさっき食べたでしょ!!」

パンパンと手を叩きながら五条先生は楽巌寺学長を茶化した。五条先生らしい悪質なジョークだが、当人は完全無視を貫いていた。

先生達が部屋を出る瞬間、五条先生はコチラに振り返った。

「ああ、Aはこの部屋を出ちゃダメだよ。終わるまで冥さんとお留守番しててね。」

突然の状況の変化にすっかり毒気が抜けていた私は、五条先生にへらりと笑いかけ、「はい。」と返事をした。

五条先生はそんな私を見て、「いい子だ。」と笑って去っていった。

「……まったく。」

冥冥さんは椅子に座り直した。ギィ、とスプリングが軋む音が急に静かになった部屋中に響いた。

「君もかけるといいよ。」

冥冥さんは左手の人差し指で空いている椅子を指差しながら、そう言った。

「きっとこれは、長くなるからね。」

私は冥冥さんのお言葉に甘えて、隣の椅子に腰掛けた。ギィ、と言う音がやけに響いた。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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