元気が三 ページ3
篠崎は1、2年に視線を向けて笑った。
篠崎「アイツの名前は【魅夜 有喜】!侑達とおんなじ1年で、元気いっぱいな女誑しや!」←
声を張り上げてそう言うと、3年たちにはまた笑い出す。
「確かに!」
「すぐ3年女子とも中ようなったよなぁ!」
「あん時は人生で一番驚いたわ!」
楽しそうに言う先輩たちを見て、侑達は"魅夜有喜"に興味を惹かれた。
五十嵐「ホンマ、アイツは人に好かれる体質でな、俺は魅夜とは幼馴染みなんやけど、小さい頃から年下にも年上にもよう気に入られとったわ」
赤木「へぇ!そうなんや!」
キラキラと目を輝かせる赤木に、篠崎は苦笑いを浮かべる。
篠崎「でも、稀に変な奴もおるから気を付けないけんのやけどな。それより!早練習戻るで!春高で皆にカッコええとこ見せないかんのやから!」←
大耳「後半本音や」
ようやく練習が再開されたが、最初よりも、皆の表情はとても穏やかであった。
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あの日から数ヶ月の歳月が経ち、男子バレー部は、春高で準優勝し、3年は卒業、北達は3年へ、侑達は2年へと上がった。
治「俺んクラスはどこやろか?」
新しく出されたクラス表に、治が目を通していると、隣の角名が肩を叩く。
角名「今年も同じクラスだよ。よろしく」
治「ホンマか?嬉しいわぁ」
1年の時も同じクラスだった治と角名は、話をしながら自分のクラスへと向かう。
治「席はどこやろか?」
黒板に貼り出されている席の紙に目を通すと、角名とは隣同士であることに気づく。
治「今年も隣やな角名。よろしゅう」
角名「そうだね」
そこから、2人でたわいもない話をしていると、突如としてクラスのドアが乱暴に開け放たれた。
『あっぶなぁ!遅刻するとこやったわ!』←
あの日、男子バレー部に衝撃の嵐を巻き起こした魅夜有喜が焦った様子でそこにいる。
『えーと、うちの席は…。そこか』
席の紙からパッと、顔をこちらに向けた魅夜と目が合う。
『おお!うちの後ろの席ん人!バレー部の人やろ!おんなしクラスか!よろしゅう!』
太陽の様な元気の良い笑顔を受けられ、つい2人は目を細めた。
治「俺は宮治。よろしゅう」
角名「俺は角名倫太郎。よろしく」
『うちは魅夜有喜や!宮くんとは読みがおんなしになるから、治くん言うてええ?』
裏表のなさそうな元気な彼女につられて、治達は笑顔を見せた。
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作者名:由寿乃 | 作成日時:2020年4月6日 16時