宮侑はツンデレ克服中【宮侑】 (ページ18)

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侑side

言われなくてもすぐ分かった

治とAが付き合い始めたこと

ショックを通り越して無気力感と喪失感が俺を襲った

昼休みにあった出来事なんか忘れたような切り替えの早いA

そんなあいつに呆れた

あんなやつなんで好きになったんやろ

今まで好きなんて言ってた俺が気持ち悪いわ

好きっていう感情はこんな呆気なく消えてしまうんやと思った

帰り道、誰もいない通学路を一人ぽつんと帰る

特に何も考えずに

でも今日はなぜか真っ直ぐ家に帰る気分になれなかった

だから通学路の途中にある誰もいない公園のベンチに一人座った

(ほんまこの公園人いないんやな...)

誰も来る気配すらない

『なんか寂しいくらいやなぁ...』

ポタッ━━━━━━━━...

｢は？！｣

見てみると手にしずくがついている

頬になにか熱いものが伝っていることに気づいた

｢なんで俺泣いとるん？！？！｣

一人で泣いてるなんて気味悪いで俺

｢なんで止まらんの｣

止めようとしてもぽろぽろと溢れてくる大粒の涙

男のくせに泣くなんてみっともない

一人で泣いたのなんて何年ぶりやろ

"ほんと侑の意地悪！！！"

"侑のばーか！"

なんでこんな時にあいつの顔が浮かぶん

『なんであいつの事思い出してるん...』

何故か知らんけどあいつの顔が頭の中に浮かぶねん

浮かんで欲しくもないのに自然に浮かんでくるねん

どうしようもないくらい好きやったわ

全てを犠牲にするくらい好きだったわ

あいつの事ならプライドとか関係なかったわ

恋ってこんなに辛いんやな

あいつの事で泣くなんて

泣くぐらい好きなんやな

『...好きやったよ...』

俺は誰もいない公園で一人泣いた

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