英斗総合病院。２

☆ ページ37

安田side




緊張でガチガチになってる
Aちゃんを連れて検査室へ。


まだ本当の発作って
経験したことないみたいやから、
ほんまに怖いと思う。


なるべくすぐ検査終わらせたるから…

頑張ろな…。


イスに座ってもらって、
発作を起こすお薬が出る
マウスピースをくわえてもらう。


今にも泣きそうな顔で
頑張って検査を受けようとして
くれてるAちゃんに
もう一度『大丈夫やからな』って
声をかけて、スイッチを入れた。


小さな変化を見逃さないように
Aちゃんのすぐ傍にも
看護師さんについててもらって
僕もAちゃんの様子を気にしながら
徐々にお薬の濃度をあげていく。


真ん中より少し濃いめの薬に変えた所で
Aちゃんの顔色がどんどん悪くなり
呼吸の仕方も乱れてきた。


『……安田先生!!』


Aちゃんの近くにいた看護師さんに
呼ばれる前に、僕はもう
Aちゃんの所へ動き出していた。


「はぁっ…はぁっ……(泣)

ゴホッゴホッゴホッ………(泣)」


初めての発作の苦しさに
パニックを起こしてるAちゃん。


安「Aちゃん!!大丈夫やから!!

なるべくゆーっくり呼吸してなー??」


聴診しながらそう声をかけてみても
Aちゃんには届いてないみたいで…。


「ゴホッ……はぁっ…はぁっ……(泣)

はぁっ……ゴホッゴホッゴホッ……

………はぁっ………はぁっ…………」


安「Aちゃん!!Aちゃん!!

聞こえるかー?!

あかん!!急いで酸素準備して!!」


発作でただでさえ
酸素取り込めてないのに、
更にパニックを起こしてまって
低酸素で意識レベルが下がっていく。


Aちゃんに酸素マスクを付けて
口から発作止めの薬を吸えへんから
急いでルートを確保して
点滴でお薬を入れる。


気を失ってはいるけど
呼吸も安定してきて
もう大丈夫そうや……
よかった……。


(……何しんてんねんっ、僕は……)


なるべく苦しい思いさせへんって
Aちゃんと約束したんに…。


こんなん一番最悪やんか…。


点滴やってほんまはしなくて
ええはずやったのに…
余計に痛い思いさせてまった…。


挿管にはならんでよかったけど…。


Aちゃんをそっと
処置室のベッドに運ぶ。


(……ごめんなぁ…………泣)


眠ってるAちゃんの頭を撫でながら
その場を離れられんかった。


目覚めたとき、誰もおらんかったら
不安になるやろから…


僕ずっと傍におるで…。


はよ目覚ましてや…。

☆→←☆

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキー∞ソング♪

旅の涯には

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す