英斗総合病院。２

☆ ページ4

渋谷side




準備してしばらく待ってると、
亮が涙目のAの手を引いて
検査室に入ってきた。


渋「ちゃんと来れたな！笑

偉い偉い^^」


そう言って頭をぐしゃぐしゃ撫でても
いつもの笑顔は見れんくて
涙目のまんまや。


こうなったら早く検査終わらせて、
恐怖から解放してあげなあかんな。


渋谷すばる、心を鬼にするで(笑)


渋「ほな、早く終わらせてまおな。

ここ座って、これ口にくわえてな？」


ちょっと口調を厳しめにして言うと
今にも泣き出しそうな顔になって、
それでも俺の言う通りに
検査装置の前のイスに座ってくれる
Aを見ると、ほんま成長したなぁ
って思う。


錦「大丈夫やで、手ぇ握っとこな^^」


渋「ほなここから誘発剤のお薬

出てくるからな？

頑張って口呼吸してや？」


Aに声をかけてマウスピースを
くわえたのを確認すると、
スイッチを入れて薬を流していく。


濃度の薄いものから濃いものへ
一定の時間をかけて徐々に変化させて…


亮の手を握ってるAの手が震えてて
いつ発作が起きるかわからん恐怖に
耐えてるんやと思うとめっちゃ心が痛む。


錦「……すばるくんっ!!」


だいたい真ん中くらいの濃度の薬を
流してるとき、
一番Aの近くにいた亮が
いち早くAの変化に気付いた。


「ゴホッゴホッ…ゴホッ……

はぁ……はぁ…っ……ゴホッゴホッ……(涙)」


錦「Aちゃん、大丈夫やで！

できるだけゆっくり呼吸してな？」


「ヒュー……ゴホッゴホッゴホッ……

ゴホッ……ゴホッ……苦し…っ………(泣)」


渋「苦しいな、ごめんな。

ちょっと診察するからな………………

よしええやろ！

A！

今から発作止めるお薬入れるからな！

もう少し頑張ってや！！」


発作の苦しさでパニックを起こしてる
Aに聞こえるように
できるだけ大きな声で話しかける。


Aの口に吸入用のマスクをあて、
すぐに発作止めのお薬を吸わせた。


「ヒュー…………ゴホッ……ゴホッ……

……ゴホッ……ヒュー……(泣)」


しばらくすると薬が効いてきて
発作は治まったものの
グッタリしてるA。


渋「Aっ、大丈夫か？！」


「……んっ…………せんせぇ……(泣)

……苦しかった…………(泣)」


渋「苦しかったな、ごめんな？

もう終わったからな。

よお頑張りました^^」


頭を撫でると安心したように
少しだけ笑ったAを見て
俺もほっとしたわ…。


ほんまよお頑張ったな^^

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