英斗総合病院。２

☆ ページ17

あなたside




(……やっぱりダメだ…………怖い……泣)


"あーんしてな"って言われるけど
怖くて口を開けることができなくて…。


「……ごめんなさい…………っ(泣)」


一度は横になったけど
思わずまた身体を起こしてしまった。


安「大丈夫、大丈夫っ！

なーんも謝ることないで？」


村「せやで〜(笑)

Aのペースでええからな？」


「……ｸﾞｽｯ…………はい……(泣)」


村「麻酔って聞くと

怖く聞こえるかもしれんけど、

病院の注射と違って

ほんまに痛くないからな？

大丈夫やって(笑)」


安「せやで〜信ちゃんの麻酔は

ぜーんぜん痛くないんやで♪」


村「ちょ、ヤス！

変なプレッシャーかけんといてや(笑)」


こんなにわがまま言って泣いて
迷惑かけてるのに、
それでも明るく話してくれて
笑わせようとしてくれる。


安田さんも村上先生も本当に優しい…。



(……がんばらなきゃ…………。)



そう思って自分からユニットに
横になった。


「……せんせ…………お願いします……(泣)」


村「……大丈夫か？」


「……(ｺｸﾝ)」


村「ん……ほな麻酔するな？

大きくあーんやで〜。」


口を開けると、注射器が見えないように
安田さんが手で目を覆ってくれた。


村「ちょっとチクーっとするで〜」


チクッ


「(ﾋﾞｸｯ)んんっ……(涙)」


針が刺さった瞬間、
そんなに痛くないのに身体がビクッと
反応してしまった。


安「大丈夫、大丈夫。

もっと身体の力抜いてみー？」


村「Aどやー？

痛くないやろー？(笑)」


「……ん…………(ｺｸﾝ)」


一瞬チクッとしたものの、
思ってたより全然痛くない。


安「んふふ、強いなぁ^^

もう終わるで〜」


村「……よし、麻酔終わりやで！

おっ、泣いてへんやん！笑

具合悪くなったりしてへん？」


「…………大丈夫、です…。」


麻酔が終わって一度イスが起こされて、
村上先生も安田さんも
"頑張ったな"っていっぱい褒めてくれた。


右側のほっぺや唇がボワーってして
何か変な感じ…。


村「ほな今から虫歯のとこ削ってくな。

痛かったら我慢せんで教えてな？」


「………………はい……。」


(……麻酔したから大丈夫だよね…………。)


そう信じておとなしくイスに横になった。

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