英斗総合病院。

○ ページ30

丸「今から傷口洗ってくからな。

痛いことないからじっとしててや〜？」


先生の言うとおり、
何か触られてる感覚はあるものの
痛みは全くなかった。


丸「……Aちゃん、大丈夫？笑」


「ｸﾞｽｯ…………はい……。」


まだ麻酔のときの涙が残ってて
鼻がグズグズしてる。


丸「急に静かになられると心配やわ(笑)

具合悪なったりしたらすぐ言うんやで？」


丸山先生は私の様子を気にして
声をかけながら処置を進めてくれた。


丸「ほな、傷口縫ってくな？

ちょっとこう…引っ張られる感覚

あるかもしれんけど、大丈夫やから。

痛かったら我慢せんで教えてな？」


「……はい…。」


私は怖くなってぎゅっと目をつぶる。


すぐに皮膚が引っ張られるような
感覚かして、今縫われてるんだ…と
思うと何だか気持ち悪くなった。


「んっ…………ふぇ………………(泣)」


初めての感覚に、痛くないのに
これから痛くなりそうな気がして
怖くて不安になって
また泣きそうになる。


丸「Aちゃん、学校楽しい？」


「……え？」


丸「何かさ、部活とか入ってるん？」


「……っ……部活は、美術部に……。」


丸「美術部?!

わぁ、僕には縁のなかった部活やわぁ(笑)

え、油絵とかさ、やるん？」


「……はい…。」


丸山先生、気を紛らわそうと
してくれてるのかな…。


その後も『得意な教科は？』とか
『好きな人おらへんの？』とか
いろいろ質問されて、
先生の質問に答えてるうちに
傷の縫合は終わったみたいだった。


丸「よしっ、Aちゃん！

全部終わったで〜^^

お疲れさんやったなぁ〜^^;」


先生に支えられて身体を起こすと
傷口は既にテープで覆われて
見えなくなっていた。


丸「よく頑張りました〜っ!!」


おっきい手で頭をぐしゃぐしゃ
撫でられる。


「あの……ありがとうございました…//

助けてくれて…。」


丸「んふふ〜

どういたしましてっ♪」


丸山先生が助けてくれなかったら
私どうしてたかな…。


痛くてあそこから動けなかったかも。


丸「また傷診せに来てな？

先生が責任もって綺麗に治したるっ！」


「はい…よろしくお願いします…っ(ﾍﾟｺｯ」


丸「おん！任せてときっ！

ほなほんまにお疲れさん^^

ゆっくり気をつけて歩くんやで？

お大事になぁ〜^^」




―end―

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