英斗総合病院。

☆ ページ15

安田side




採血の結果、Aちゃんは
しばらくの間毎日、吸入と点滴治療が
必要やということになった。


毎日点滴するから、今から留置針を刺しに
Aちゃんのとこに行こうと思う。


寝てる間に処置できたらええねんけど…。


Aちゃんの部屋に行くと
ひゅーひゅー苦しそうな呼吸音が
聞こえているものの、
しっかり眠れてるみたいやった。


(……起きんでよ……？)


そんな願いも虚しく、
Aちゃんの腕をとり、袖をめくると
何かを感じたのかぱちっと
目を覚ましてまった。


「……んっ………やだっ…………(泣)」


起きて数秒でこれからされることを
悟ったらしい(笑)


安「大丈夫、大丈夫^^;

これ1回頑張ったら、

しばらく針刺し変えんでええからな？

ちょっと頑張ろな…。」


そう言いながらAちゃんの腕に
長い留置針をスーっと刺していく。


「んんっ…………痛いぃー!!(泣)」


途中、血管が蛇行してて
なかなか上手く針が入らんくて
時間がかかってる間に
Aちゃんが泣いてしもーた…。


でも泣いてはいるものの、
腕は動かさんで我慢してくれてる。


ほんま強くなったなぁ…。


針がずれないように固定して
生食とテオフィリンの輸液パックに繋げる。


安「よし、終わったで〜^^;

ごめんなぁ、章ちゃん下手くそやったなぁ…」


泣きじゃくってるAちゃんの頭を
撫でてやると、
痛いことしたばかりなのに
「章ちゃ〜ん……」って
針を刺してない方の腕を伸ばしてくる。


その手をぎゅっと握ってやり、
もう片方の手で頭を撫でる。


安「よしよし、偉かったなぁ^^

頑張った、頑張った^^」


「……んっ……ｸﾞｽｯ……章ちゃん…………(泣)

ゴホッ……早くお家帰りたい………っ(泣)」



安「ん、せやな。

治療頑張って早くお家帰ろな？」


「……うん………ｸﾞｽｯ…(泣)」


あらら、また寝てまいそうやな…。


久しぶりに喘息の発作起きて
痛いこといっぱいされて、
めっちゃ体力消耗してるやろからな。


安「章ちゃんここにおるからな^^

我慢せんで寝てええで？」


そう言うと素直に目を閉じて
あっという間に寝息が聞こえてきた。


大きくなって我慢強くなったけど、
寝顔は小さい頃のまんまやな…。



Aちゃんの病気は必ず治すから。


辛いとき、苦しいときは
僕が側におるで。


やからいつまでも「章ちゃ〜んっ」って
甘えてや？笑


頑張って、早く良くなろな…^^





―end―

☆カルテ4~複雑骨折→←☆

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す