英斗総合病院。

☆ ページ13

安田side




安「失礼します。

Aちゃん迎えに来ましたぁ。」


診察室に入ると、
机に向かってカルテを打ち込んでる先生と
ベッドにうつむいて座ってる
Aちゃんの姿。


「…ゴホッゴホッ…章ちゃん…………っ(涙」


(……あら〜……嫌な咳しとるな…………)


顔をあげたAちゃんの頬には
涙の跡があって、
今も目にいっぱい涙を溜めとった。


安「……久しぶりやなぁ^^

すっかりお姉さんやねぇ〜」


少しでもAちゃんの緊張をほぐすため
なるべく明るく声をかけながら
隣に腰かけて背中をなでてやる。


医「喘鳴も著明ですし呼吸音も良くない。

病棟にあがったらまず吸入して。

その後採血取って、その結果見てから

点滴決めますから。」


"吸入"、"採血"、"点滴"・・・

Aちゃんの嫌いな言葉の
オンパレードやな(笑)


安「……わかりました。

ありがとうございました。

ほなAちゃん、病棟行こか^^」


ん、って手を差し出すと
ためらいながらもぎゅって握って
立ち上がってくれる。


入院したくないけど、
早くここから出たい…って思いが
Aちゃんの手から伝わってくるわ(笑)


診察室を出て、
直接このまま病棟連れてくのも
かわいそうやなぁって思って
外来の待合室のソファに一回座った。


「……章ちゃん……………ゴホッゴホッ…

入院しなきゃだめ………………？涙」


やっぱり入院嫌やねんな^^;


安「せやなぁ…;;

章ちゃんずっと一緒におるで？

やからちょっと頑張ろ？」


「……ゴホッ……ゴホッ………ｸﾞｽｯ……(泣)」


安「Aちゃん今呼吸苦しいやろ？

コンコンも出てるみたいやし…。

いつ大きい発作起きても

おかしくない状態やねん。

せやから安静にして、

お薬の力も必要やってわかるよな？」


「……ん…(ｺｸﾝ)」


安「大丈夫やで。

状態安定したらすぐ帰れるからな^^

ちょっとだけ頑張れん？」


「……んっ……ﾋｯｸ………ｸﾞｽｯ……

がん…………ばる……っ…………(泣)」


安「よし！！偉いなぁ^^

早く良くなるよに一緒に頑張ろな！

ほら、苦しくなるから泣かんよ〜^^;」


昔なら絶対
"嫌だぁ！！うわぁぁぁん！！泣"
って泣いてたよなぁ…。


Aちゃんが大人になって
嬉しいような寂しいような…


おっちゃん複雑やわぁ…(笑)

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