英斗総合病院。

☆ ページ2

大「Aちゃん、耳鼻科初めてかな？

だったら怖いよなぁ。

普通の内科とかの診察室と
雰囲気全然ちゃうもんな(笑)」


そう言って笑う大倉先生。


「いえ……小さいときに
中耳炎の治療されたことがあって…。

それがすごく痛かった記憶があるので
耳鼻科は痛いことされる場所…って
イメージなんです…涙」


こんなこと耳鼻科の先生に言って
いいのかな？って思ったけど、
大倉先生なら大丈夫そうな気がした。


私の言葉を聞いて困ったように
笑ったあと、


大「そうかぁ…
確かに中耳炎の治療痛いもんなぁ。

でもAちゃんの声聞いてると
鼻づまり辛そうやなって思うんやけど…

ちゃう？」


「…はい……辛いです…。

鼻が苦しくて夜も寝づらくて…。」


大「せやろ？

そしたら僕、早く苦しいの取って
楽にしてあげたいんよ。

ちょっと怖いかもしれんけど、
診察頑張れへん？」


大倉先生が顔を覗き込みながら
優しくそう言うから
思わず頷いてしまった。


大「よし、偉いなぁ^^

ほなあのイス座れるかな？
何も怖いことないから大丈夫やで！」


大倉先生に背中を押されて
恐る恐る診察台に座る。


大「大丈夫、大丈夫^^

リラックスしてな？」


マスクを上げて
パチンッて手袋を付けた先生に
そんなこと言われても…。


いつの間にか私の横には
看護師さんがスタンバイしていて
もう逃げられない雰囲気に
再び恐怖感が戻ってくる。


大「まずお鼻診せてな？

痛いことないから大丈夫やで^^」


先生がそう言ったの同時に看護師さんが
私の頭をちょっと上向きにして押さえる。


大「ちょっとごめんなぁ〜」


鼻に鼻鏡が入れられる。


「んっ…………涙」


大「あら〜鼻づまり酷いなぁ^^;

後で吸引しよか。

よし、次お耳診てくなぁ〜。」


今度は看護師さんが私の頭の
横向きに押さえる。


耳に耳鏡が入れられると
痛くはないのに恐怖感で涙が出てきた。


大「……次逆のお耳なぁ〜

ってAちゃん大丈夫？
怖なってもうたかな？」


大倉先生が看護師さんに固定を外すよう
指示して私の頭をなでる。


大「あと反対のお耳だけやから。

頑張れる？」


本当はもう嫌なのに、
大倉先生か優しくそう聞くから
思わず頷いてしまう。


大「ん、偉い偉い^^

ほな逆のお耳診せてなぁ〜」


再び耳に耳鏡が入れられる。


「………っ…………(泣)」


大「よし、終わり！

頑張ったなぁ〜^^」


やっと診察の恐怖から解放され
ふぅーっと大きく息をついた。

☆→←☆カルテ1~鼻づまり

ラッキーカラー

あずきいろ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す