１５話 ページ17
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まあ、それから４試合勝って、最後は青城とだったから、試合が終わってから私は及川さんの方へ行き、あることを確認しに行った。
『...あの...』
私がそう言うと、さっきまでマッキーとまっつんと岩ちゃんと話していた及川さんは、私の方を向いて、爽やかスマイルを張り付け、
「あ〜...どうしたの？」
と訊いてきた。
少し言うのはためらったが、どうしても気になって夜しか眠れなさそうなのでここで聞いておく。
『えっと...音駒のマネージャの石川です...気になったことあるんでいいですか？』
「うん！いいよ？なに？」
と笑顔で返してくる及川さん。
私はお礼を言ってから、また口を開く。
『...植野さんって、どうしてマネージャーなんですか？』
そう言ったら、及川さんの笑顔はなくなって、暗い顔になった。
「...どうして？」
そう訊いてきたので、ビビりながらも、
『...バレーボールが大好きでバレー馬鹿な及川さんがどうして自分からバレーの邪魔をする人を置いておくのかなって。』
と言う。
そう言った瞬間、後ろで聞いていた三人は噴き出して、
「バレー馬鹿ってっ！！」
と笑い始めた。
及川さんは笑いながらも「ちょ！何で笑うの！？」と三人に向かって言った。
そして私の方に向きなおして、真剣な顔になって、
「植野ちゃんは仕事してるよ。...まあちゃんとはしてないけど...。青城には青城なりの理由があるんだからさ。マネージャーの君には関係ないことじゃない？」
と言ってきた。
そんなん知ってるんだよ。でも、植野が居たら原作通りに行かないかもじゃんか！
そうは言えないので、正論っぽい屁理屈を並べて置く。
『私は植野さんの事極力無視しますけど、他のマネージャさんの邪魔になるかもしれないじゃないですか。仕事推しつけられても、清水先輩や仁花は優しいので絶対にしちゃうと思うんです。
及川さんが理由を教えてくれるのであれば、対処法を考えることができるんですけど...やっぱり無理ですかね...。』
最後の方は涙声になりながら言ってみた。
元声優志望の私の演技力なめんなよ。
及川さんだから泣きそうになってる女の子は放っておけないはず！！
そう思っていたら、及川さんが慌てて口を開き、
「分かった！理由教えるから！！泣かないで？ね？」
と言った。
ばっと上を向いたら、後ろから凄いオーラを出している岩ちゃんと、笑いをこらえている花松コンビが目に入る。
岩ちゃん...お強いですね...。
そう思いながらも、自分なりの笑顔で
『ありがとうございます！！』
と言っておこう。
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作者名：柚子胡椒 | 作成日時：2018年12月6日 18時
