15話 ねこを飼いたい幼馴染 ページ16
学校からの帰り道。いつも通り焦凍と2人並んで歩く。電車も降りて、小さい頃からよく通った帰り道を進んでいく。
すると、空き地の横に差し掛かったとき、どこかからか声がした。
｢____なんか、聞こえたね｣
｢あぁ、ねこ....か？｣
｢え？ねこの鳴き声だった？｣
私にはなんだったのかわからなかったけど、焦凍は声の聞こえる方へ進んでいく。着いたのは、空き地の大きな木のした。
そこには小さな子猫がいた。小さな身体を丸めて蹲っていた。でも、ダンボールに入れてあった訳でもなので、野良なんだろう。
｢誰かに捨てられたって訳じゃなさそうだね｣
｢あぁ、だいぶ弱ってるな｣
｢まだこんなちっちゃいのに....｣
にゃー、と鳴く子猫は毛並みが汚く身体も汚れていて、元気そうに手にすり寄っているが、弱っていることがわかる。
周りを見渡しても、母ねこらしきねこはいなくて、このままでは生きていけるのだろうかと心配になった。
自分がどんな状況なのか全く知らないような、純粋な真っ黒な瞳でこちらを見つめてくる。茶色と白の毛色っぽいけど、白いところは汚れて黒くなっていた。
｢私の家もしょうとの家も飼えないでしょ。可哀想だけど、誰かに拾ってもらうのを待とう。｣
｢....でもコイツお腹すいてるかもしれねぇ｣
｢.......じゃあ、ご飯だけ持ってきてよっか、｣
｢あぁ｣
しゃがみこんで子猫を撫でながら、焦凍は飼いたそうに見つめてくるけど、どっちの家も生憎飼えない。
焦凍が悲しそうにしゅん、とするからご飯だけ持ってきてあげる事にした。
__________
｢すげぇ食いっぷりだな｣
｢うん、やっぱお腹すいてたんだね...｣
一旦家に帰って、ご飯を持ってきてあげた。どんどん無くなっていくご飯に、この子猫がどれだけお腹がすいていたのか思い知る。
飼ってあげたいけど、1人暮しだからそんな余裕ないしな....お父さんが久しぶりに帰ってきた時になんて言うか....
｢擦り寄ってくる...！かわいい！｣
｢ありがとうっていいたいのかもな....｣
ご飯を食べ終わったと思ったら、私の手に頭を押し付けて、撫でて欲しそうにするよってくる子猫。かわいさに悶絶しながらも、撫でてあげると今度は眠り始めた。
｢寝ちゃった...｣
｢忙しいヤツだな｣
｢うん。かわいいなぁ｣
｢....昔もこんな事あったよな、｣
｢え、？....あぁ、あったねそんな事も｣
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ミルフィーユ - 終わりなんですか...？悲しいですが、すっごくほっこりするお話でした。 (2020年7月3日 19時) (
レス) id: 9176ab7d5f (このIDを非表示/違反報告)
あるじゃん(プロフ) - りるるさん» コメントありがとうございます！大変励みになります...！頑張ります！ (2020年6月1日 2時) (レス) id: 99f9589e9d (このIDを非表示/違反報告)
りるる(プロフ) - 尊い(*´∇｀*)応援してます！！ (2020年5月31日 23時) (レス) id: 335947b1ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あるじゃん | 作成日時：2020年4月17日 0時
