ラスボスKC ページ42
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「Aジェットコースター乗れる?」
『うん』
「じゃあー、あれは?お化け屋敷」
『断固拒否』
「はは、わかった」
なぜかはわからないが永瀬がいつもより何十倍も優しいしイケメンに見える。昨日の爆弾発言で私の心に何かしらの補正がかかっているのかもしれない。
彼は真っ赤になったであろう私の顔を見て満足そうに笑い頭を撫でた。可愛い、なんて言われて平常心を持てる女の子はいるのだろうか、いたら尊敬する。
「頼みあんねんけど」
『なに?』
「…今日一日、一日だけでええから廉って呼んで」
『…うん、いいよ』
「…え、まじ?」
『うん』
「っしゃ、」
『そんなに自分の名前気に入ってんだね』
「…いや、」
嬉しそうな顔から一転、めちゃくちゃに呆れた顔をされたが気にしない。気にしたら負けだ。
「Aが呼ぶことに意味あんねんけど、」
『はい?』
「んー、ま、なんでもええわ。行くで」
『え、』
するりと繋がれた手を見て呆然とする。
そんな私に気づいていないのか彼はぎゅっと私の手を握り先を歩いていた。手を離そうとすればそうはさせないとでも言うかのように強く握られた。
『ちょ、廉?』
「ん?」
『いや、手…』
「別にええやん。減るもんじゃないし」
『そういう問題じゃなくない?』
「…やだ?」
『…やでは、無いけど』
「じゃあええやん」
なんだかずっと廉の手のひらで転がされている気分で仕方がない。と、言うよりも廉の裏にラスボスがいるようで仕方がない。
廉が廉と呼べ、と言ったのもこうやって手を繋いでいるのもなんとなく誰かの策士のような気がしていた。そしてその"誰か"は何となくわかっていた。
『…優太になんか言われてる?』
「はっ、えっ、い、いや?」
『はは、なんて言われたの?』
なるべく穏便にと思いにこりと笑顔を浮かばせながらぎゅ〜と手を握った。握力には自信があった。イテテと顔を歪ませた廉に誇らしい気分になる。
「だー!!特になんも言われとらん!ただキュンキュンさせろ言われただけや!」
『…え、なに、ゲーム感覚?』
聞いといてあれだがなんか少し傷ついた。普段キュンキュンしない私をキュンとさせてこい!みたいなミッションを廉は遂行しているだけなのだろうか。それは少し、というかかなり嫌だ。
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50話までに終わらせたい終わらなさそう頑張ろう。
タイトル考えるの苦手です
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます!!!!!!一生のお願い!笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます!afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです! (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます!最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです!楽しみにしています!! (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚木 | 作成日時:2019年10月16日 22時