君が好き ページ43
．
「それは断じて違うから、ほんまに違う。」
『あ、うん、ね』
「あーー」
廉は困ったような顔をしながらセットしたであろう髪をぐしゃぐしゃにしてしまった。あれま、と思いながらもじっと廉を見つめていた。
「…惚れさせろって、言われただけや」
『は？』
「…優太にAを惚れさせろって。そのためにキュンキュンさせてこいって。…友達枠から抜け出せって」
『…私を惚れさせて何になんの？』
「いや…なんで伝わらんの？」
『え？』
ますますわからない。私の周りに浮かぶ沢山のはてなマークに気づいたのだろうか、廉は深呼吸を何度か繰り返していた。
「好きやねん、Aが」
『…へ、』
「話すの恥ずかしくて、Aのこと避けてて。ずっとずっと好きやったのにお前中学ん時いつの間にか彼氏作っとったし。…まあ、それで、とにかく振り向かせよう思って。折角優太が優太の時間をくれたんやし、なら惚れさせようってなった。」
『え、あ、』
「あーまじで、返事いらんから。よし、バイキング行こう」
状況が全く読み込めない私の手を引っ張りずんずんと前に進む廉の背中をぼーっと見つめていた。
廉が、私を好き…？
仮にそうだとしてなんで今？やっぱりそこが引っかかる。
そんな急ピッチで進めなくても良くない？私は彼氏作る予定なんてまるで無いし、そんなに慌てなくても候補者いないのに…なんてぐるぐると考えていたらふと、廉が立ち止まってこちらを見た。
なんだろう、と思い前を見たら順番待ちの列に着いたようだった。
「…俺、Aが本当に来るか不安やった。あれ優太が送ったやつやん？」
『…ぁ、し、知ってたの？』
「優太から俺のご褒美やるからぶちかましてこい！ってLINE来た。」
『あいつ…』
「ありがとな、来てくれて」
『行きたかったから、来たんだよ。それだけ』
「…うん、ありがとう」
『うん、』
今、返事をするべきなのだろうか。でもまだ私には廉が好きなんだという自覚が持てていない。好きなのに、私の中の誰かがそれを認めていなかった。
悶々としている私に気づいた廉は優しく笑った。
「だから返事いらないっつーの。」
『…え、でも、』
「さっきのは忘れ…ちゃあれやけど、とにかく今日は笑ってて欲しい。俺の隣で」
『…なんで？』
「なんでも。あかん？」
『…わかった』
できる限りの笑顔でそう答えれば廉もまた、笑顔で笑い返してくれた。
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます！読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (
レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます！！！！！！一生のお願い！笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます！afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです！ (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます！最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです！楽しみにしています！！ (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：柚木 | 作成日時：2019年10月16日 22時
