親友の親友 ページ19
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「Aちゃん!おはよ!」
『あーっと、平野さん。おはようございます』
「え!かた!かった!」
『いや、まぁ、はは』
だって全然話したことないじゃん。え、話したことないよね?優太とよく絡んでるから何回か顔合わせたことはあるけどあんま話したことなくない?あれ、あったっけ?
記憶力は皆無なのであったと断言されたらあったと言ってしまいそうなほど曖昧だった。
しかし朝わざわざ声を掛けてもらうほどの仲ではなかった気がする。
平野さんは私の横に走り自然と車道側を歩いた。
顔もさながら行動もイケメンだ。そりゃ女の子たちが惚れるわけで。
周りに視線を巡らせれば羨ましそうに私を見る人とか、妬みとか蔑みの目をした女の子とかがちらほら見える。
「俺そんなAちゃんと話したことないよね!…あれ、あったっけ?ん?あった?ない?あれ?」
『多分無いですね』
「ん?」
『え?』
「え?」
『…え?』
「ははっ、Aちゃん面白いね!」
え?しか言ってないけどね、ありがとうございます。とは流石にいえないので苦笑いをしといた。
「あ、てかさ、なんで敬語?」
『あんま話したことないなって』
「だからかったいかったい!俺の事紫耀でいいしタメでいいよ?うん」
『うーん…うん、わかった』
「じゃあよろしくねAちゃん」
『こちらこそ』
差し出された手を握るとブンブンと縦に大きく振られた。こんなに情熱的に握手をする人は初めてだ。困惑しつつ平野さん、紫耀を見ればニコニコと嬉しそうにしたのでこれするのが正解だろう。私も笑っておいた。
「紫耀何してんの?Aちゃんおはよ」
「Aちゃんと握手してた」
『玄樹くん、おはよ』
「うん、だからなんで握手してたの?」
「挨拶ー」
「ふーん」
神宮寺くんはいないのだろうかと彼の周りを見あたすが彼らしきシルエットは見当たらなかった。
紫耀も、玄樹くんも神宮寺くんもそこまで仲がいい訳では無い。
仲がいい人の仲がいい人。言わば間接的な関係。
「ジンは?」
「置いてった」
「えーいいの?」
「だって今日神宮寺起こしてくれなかったもん」
「ジンってアラームなの?」
これが優太とか海ちゃんならカレカノじゃん、と突っ込むが玄樹くんには余りそうは言えない。
なんだろうか、私より女子を全うしていそうで怖い。
恐る恐る玄樹くんを伺っていると目が合い微笑まれて。
無事、撃沈した。
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます!!!!!!一生のお願い!笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます!afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです! (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます!最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです!楽しみにしています!! (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚木 | 作成日時:2019年10月16日 22時