･ ページ9
「A何出る？」
「…なにが？」
「体育祭」
休日に2人で家でゴロゴロしていると優太が体育祭の話題を私にもちかけてきた。
…もうそんな時期か、と思いカレンダーに視線を巡らす。
「どうしよっかな…あんまり目立ちたくないもんなぁ」
「A足速いのにな、勿体ない」
「んー、でも私のせいで失敗したら嫌だし」
「…まだ引きずってる？」
「いや、怖いだけ」
随分前に選抜リレーに出た際カーブしきれなくて思いっきりずっこけてしまったことがある。
あれ以来カーブはあまり全力で走れないし私が転びさえしなければ1位はなくとも2位は確実に取れていたという事実が過って自ら選抜リレーに立候補することはなくなった。
「頼まれたら出るけどね。まだみんなの足の速さとかわかんないし」
「今度体育で測るんだろ？」
「そーだっけ」
「お前ほんと人の話聞いてねえよな」
「まーね」
「どやんなよ。…クラス対抗っしょ？」
「何クラスあったっけ…7？」
「確か」
「コースあるっけ、、」
「あー…てかその話じゃなくて！なんの競技出んの！」
「借り人は絶対やだ。あと障害物もやだ。てか全部やだ」
「俺借り人やってみたいわ。青春じゃね？」
「"好きな人"とか書いてあんでしょ？無理」
「もし俺がそれ引いたらお前連れてくね」
「好きな人連れてけばいーじゃん」
例えばサエキ先輩とか
というメッセージを込めてニヤニヤと優太の方を向いたらめちゃくちゃに真顔でこちらを見ていた。
「馬鹿じゃね？付き合ってんのに違う人連れてけねえだろ」
「あ、、、そっか、、」
「何その反応、え、お前ちゃんと彼女ってる？」
「大丈夫彼女ってる！多分！十中八九！」
…そういや彼女っぽいことってなんだろう。
優太〜♡みたいな？無理無理無理無理無理無理無理
「青ざめた顔してどした？」
「いや、ちょっと、自分に寒気が」
「っあー！また話逸れた！で、お前何出んの？」
「…んー、、、わかんない」
「俺とリレー出ようよリレー」
「やっぱり本題それかい」
私たちの高校では選抜リレーと呼ばれるものは男女混合の4人で行われる。
誘われそうだなあと思っていたら案の定誘われてしまった。
「頼まれたら出るって言ったよな？だからお願い、出
て！」
「でも私もう優太の大きな頼み聞いたよ？」
「あー…いや、あー」
Oh…WINNER(？)
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kaede | 作成日時：2019年9月24日 20時
