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「廉も言ってたぜ、お前と走りたいーって」
「永瀬、ねぇ…いいよ」
「…は?廉がいれば走んの?」
「うん。なんか面白そうだし」
私の返事に何故か不機嫌になる優太を他所にLINEの返信をする。
返信とかちょっとだるいと思ってしまう私はものすごく未読が激しくて入学して間もないが既に私のLINEの既読は遅いということが全員に知れ渡ってしまっていた。
「でも私と永瀬と優太だとして、もう1人は?」
「男女2人ずつだもんなー…お前友達いる?」
「えー…女子で廉にときめかない人でしょ?」
「よく分かってんじゃん。」
「永瀬の女嫌い度はすごいもんね。…あ、いるかも」
「まじ!じゃあその人誘っといてくんね?」
なんか楽しくなってきた!と勝手に1人盛り上がってる優太を見てやっぱり弟だなーと思いつつ笑みが零れた。
そんな私を見て優太は不思議そうに眉を上げた。
「何?顔になんかついてる?」
「いんや?弟っぽいなって」
「オトート?」
そんなカタコトになるほどの言葉だっただろうか。
あほ面のままこちらを見る優太にまた笑った。
「うん。優太弟みたい」
「弟、ねぇ…」
しばらく何か考えている様子だったが何も無かったかのようにあっけらかんと笑った優太。
「じゃあ姉ちゃん!奢って!」
「は、無理。やっぱ弟じゃない」
「おうおう。俺は弟じゃなくてちゃんと"男"だかんな!」
「知ってるよそんなの。…え、性転換でもしてたの?」
「そういう意味じゃねえよ!アホかお前!」
「な…っ!?1番優太に言われたくないわアホ!」
目が合えばなんだか馬鹿らしくなって。
やっぱり優太と過ごす時間はとっても居心地がいい。
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作者名:Kaede | 作成日時:2019年9月24日 20時