岸 く ん の 妹 ち ゃ ん

：おめでとう ページ20

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2019年5月23日。



おめでとう、の5文字を兄へ送る。






約10年間Jrとして名を馳せていた優太。

ずっと目指していただろう夢が叶った、特別な日だ。




今メンバーとわちゃわちゃしてるのだろうか。
それとも1年経ったなぁ、と感慨深い気持ちでいるのだろうか。




そんなことはどうでもいい。




とにかく、1年前の今日─────テレビを見ながら驚愕したのを覚えている。









＊









「デビュー！？！？」






最近ずっとバタバタしていて長らくおさらばしていたリモコンを手に取り久々にテレビを見ようとした矢先、なんだかキラッキラの6人がいると思いきや兄の姿が。



そして右上にはなにやら"デビュー"の文字が。




慌てて携帯を手に取り優太に電話をかける。


…が、忙しくしているのだろうかなかなか出ない。



震える手で文字を打ち、おめでとうを何回も送った。気がする。





すると数分後に電話がかかってきたので慌てて出ると「よう！」という明るい声が。





「…おめでとう」


『うん、ありがとう』


「なんで言わなかったの」


『テレビで知って欲しいなーって』


「いやなんで？よくわからん」


『まあ気にすんな！』


「…ほんとに、ほんとにおめでとう」





今までの優太の苦労を思い出すと涙が溢れてしょうがなかった。


まあ、私が言えるような立場ではないんだけれども。





『なんで泣くんだよ』


「いや、嬉しすぎて」


『お前泣くと俺まで移るからやめて！？』


「移れくそ猿」


『口悪くね！？』


「お母さんは？お父さんは？なんて？」


『いんや、おめでとうって』


「優太！」


『はいぃ？』


「気合い入れようね。尚更撮られちゃだめだよ」


『…俺はいいんだけどなあ』


「だーめ。私がもっと有名になったら！」


『いや、もう既に有名…』


「いいの、気にしなくて。メンバーさんにも秘密だよ？？」


『えー…まあ、うん』


「あ、でも私匂わせやってみたい」


『お好きにどーぞ』


「ふふ、優太」


『へい』


「世界一尊敬してます。だいすき」


『…彼女かよ』


「独り身だからってやめとけよ☆」


『うっぜぇ！！！お前だって──』








はい、強制終了。









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