練習と再会 ページ4
あの定食のときハルからバレーボールの練習を見に行かないか、と誘われた。
承諾したものの、何を着て行けばいいんだ…。
派手すぎは、だめだよね…かと言って地味すぎもなー、と唸りながら着ていく服装を決める。
結局、パンツに藍色のTシャツとウィンドブレーカー。
駅でハルと待ち合わせして体育館に向かう。
ハルは色んなことを教えてくれた。好きな選手がいることや、差し入れを毎回何にするか悩むことやチームのこと。
体育館に着くと練習を見に来た人でいっぱいだった。
「いつもこうなの？」
「うん、そうだよ。今日は休日ってのもあるから、いつもより多いかな」
そうこうしているうちに体育館に入れ、上の席で選手たちの練習を見る。
「かっこいいな〜」と言うハル
(あそこで、クイックはAのほうがいいんじゃないかな。でもBもあり。
レシーブはもっと前の方が態勢的にいいのに。ブロックはテンポはやめに)
思っていることを小さなノートにメモする。
昔からの癖である。思ったことを書いておかないと気が済まない。
ハルはそんなことには気づかず、ずっと見ている。＋一眼レフで写真を撮っている。
ミニゲームが終わり、休憩時間になった。ちょうどいいと思いノートを整理する。
(こんなもんかな？)
パッと顔をあげると、監督と目が合った。
じーっとみられている。
(何かあるのかな？………ん、でも見たことある。どこだっけ？)
「ねえ、あの監督って？」
「アンデッシュ監督だよ！スウェーデン出身で、怒ると怖いけど、褒めるときは褒める優しい監督なの！」
「ほーん」
(アンデッシュ？？？あれ、なんだっけ？アンデッシュ？)
練習時間が終わり、帰ろうとしたとき「すいません」と声をかけられた。
そこにいたのは若い男性で、選手とは違うけど関係者っぽい。
「あの、月谷夏香さんですか？」
「え、あ、そうですけど」
「ちょっと一緒に来ていただいてもいいですか？」
「え、何かありましたか？」
「監督が呼んでいるんです」
(監督が？？)
その男性の後ろにハルと付いていく。
「シューズって持ってきて・・・」
「「いますよ」」
体育館に入るとさっきまで練習をしていた選手たちがいた。
みんな凝視してくる。視線が痛い・・・・。
さっきの男性が監督のもとへ走って行ってしまった。
私はその場で立ち止まった。
「夏香？」と声をかけられた。
Do you remeber to me?
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作者名：yuzu | 作成日時：2017年8月1日 16時
