新学期と誘い ページ3
ぽつぽつと花が咲き始める頃、大学も新学期を迎えた。
履修登録やサークル勧誘や校内は新学期特有の賑わいを見せている。
もう大学生活も3年目になった。
今日はオリエンテーション。
すでに知っている先生の話を聞きながら、本を読む。
何かしていないとすぐに涙でいっぱいになってしまう。
1時間ほどのオリエンテーションが終わった。
サークルにも入らず、何もない私はまっすぐ帰宅する。
最寄りの駅から電車に乗り2駅。歩いて5分圏内のところにあるアパートに住んでいる。
帰宅し、着替えようと思ったらLINEが入った。
ハルだった。
ハル:今日の夕方暇してる?
夏香:暇だけど、どうしたの?
ハル:ご飯食べに行こうよ!
夏香:いいよ。
夕食はハルとご飯を食べることになった。それまでベッドに座ってパソコンをカタカタいじる。
きっとハルは私の身を心配してくれたのだろう。
5時間後
ハル「夏香、久しぶり!」
夏香「久しぶりね。」
ハル「元気…?…すぐに元気になれないよね…」
夏香「平気よ。現実は現実じゃない」
そう言う私にハルは困った顔をした。
ハル「夏香らしいね…」
夏香「ほら、連れて行ってくれるんでしょ?」
ハル「あ、そうだった笑 よっし、行くか!」
ハルが心配してくれているのは分かる。”あの時”もずっと傍にいてくれた。
ハル、大丈夫よ。心配しないで。と心の中でつぶやく。
連れてこられたのは定食屋さん。最近ちゃんとしたご飯を食べてないと言ったら、定食屋さんを選ばれた。
ハルらしい笑
お店に入って、店員さんに席を案内され、掘りごたつの席に入る。
ハルは早速メニューを見て決めたらしい。
メニュー表を渡されて、何を食べようかと悩んでいると、ふと目に「サバの味噌煮定食」が入った。
ハル「決まった?」
夏香「うん」
呼び鈴で店員さんを呼び、注文をする。
それからハルが何か話し始めたが、初めはちゃんと聞いていた。でも、目に入るものが時々最愛の人との時間を持ってくる。
ハル「ね、いいでしょ?行こうよ!」
夏香「あ……そうだね。いいよ」
ハル「ちゃんと聞いていた〜?」
夏香「え、あ、うん」
ハル「もう、聞いてないでしょ!」
夏香「ごめん。なんだっけ?」
ハル「今度、バレーボール見に行こうって話し!」
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作者名:yuzu | 作成日時:2017年8月1日 16時