【HQ×文スト】爆 弾 騒 動 in合宿！【男主】

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「すみませ〜んっ」



うん、我ながら良い女声だ。…恥？そんなもんとっくに捨てました。

後方の電柱の影で、中也さんが爆笑している気配が。後で極刑に処します★




「はぁい、君も俺に会いに来てくれたのカナ？」



『いつも活動応援してます！』



…何の活動かは、知りませんけど。




『ところで、私、ちょっと道に迷っちゃって…』



「うん。どこ行きたいの？」




『えーと、確か、しらとりざわ…』




途端に男の端正な顔がありえない形に歪んだのでドキッとした。
女声の下りも忘れて地声で
どうしました、と問えば、
酷く掠れた声で


「な”ん”で”も”な”い”よ」

と。




「もしかして、誰かに会いに行く予定だったり…？」




『ウシワカ？さんを見にいk…！？』




言い終わる前に、不自然に言葉の尾が上がってしまったのは云うまでもない。

“ウシワカ”と云った途端に海老反りですよこの人。
なんだコイツ、面白いな。




日向が云っていたことを思い出しながら、再度問うてみる。




「烏野高校ってトコから白鳥沢、結構近いんですよね？烏野の場所でも良いので教えて頂きたいのでs……すみません」



矢張り、最後まで云うことは叶わなかった。
この人、“烏野”にも反応して一瞬露骨に嫌な顔をした。


…これは聞く人を間違えたかも知れない。
背後に隠れる中也さんに、後ろ手でそう合図する。





その時。

目の前に立つ男の背後からなにか大きなものが飛んできて、彼の後頭部に直撃した。




「ぐッッッ」



『っわ、ちょっと…！』




バランスを崩した男が倒れてきて、私は地面に押し倒される形になった。

後ろで中也さんが腹を抱えて笑っている気配。殺意しか沸きませんね…★


…飛んできたのは、音駒の皆が持っていたようなエナメルバッグだった。男は私の上で痛みに悶絶する。早く退いてください。




「…何路上で女襲ってんだよキャラ変か？クソだなお前」


「岩ちゃんがぶつけたんでしょうが！！」


「オラ立てるか？悪いなうちのクソ川が」



彼と同じ、“AOBAJOHSAI”と書かれた爽やかな色のジャージを着た人が来て、男の下にいる私に手を貸して引っ張りあげてくれた。





「あ、岩ちゃん…この子ウシワカんとこ行きたいんだってさ」



「あ”？」



あ、あなたもですか。ウシワカ一体何をしたんだ。矢張り爆弾騒動と関係が？



「…こう行ってあそこ曲がって10分位直進すると案内表示があるぞ」




＿教えてくれるんですね。

ウシワカ→←▽

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