木兎の拾いもの ページ2
三校合同合宿一日目_夜
梟谷部屋にて。
「…なあ、赤葦起きてるか?」
「何ですか」
「木兎がジャージ取りに出てったまま戻ってこないんだけど」
「抜け出したのがバレて説教くらってるんじゃないですか。俺は寝ます。寝たい」
「…いや…でも木兎だぜ?どこで何やってるか分かんないぞ?」
「じゃあ木葉さんが見に行けば良いじゃないですか…」
「ちょ、木葉赤葦うるさい…どーしたの」
「あのさ、木兎が全然戻ってこな
<ただいま!!!!!!
来たー…」
豪快に扉を開け放つ音と共に部屋に飛び込んできたのは、エース・木兎光太郎の声。
爆睡中の鷲尾を除き、部屋にいる誰もがその喧しさに顔をしかめた。
「なあなああかーし、見て!拾った!」
「木兎さん…監督に怒られますよ。あと何も見えません」
「見えない?」
暗闇の中でこれを見ろと騒いだ彼は、あろうことか部屋の電気をバチンとつけた。
「は…⁉嘘だろ眩…ッ」
「ん”ん………ぼく、と……!」
「木兎さん…!」
赤葦は乾いた目をしぱしぱと瞬かせ、上半身を布団から起こして精一杯の眼力で木兎を睨み付ける。
だが木兎はそれに気付かず、床を引き摺って持ってきた
「これで見える?なあなあ見てコレ!マネキン!」
「何ですかもう!…マネキン……?…………
……ヒュッ」
赤葦の喉から乾いた音が鳴った。
木兎が持っているのは男だった。
砂色のコートを身に纏い、手足に包帯を巻いた長身で蓬髪の。
所々血も出て擦り傷だらけ、生死不明のその男を、木兎が笑顔で引き摺ってきた。
一瞬自分でも驚くほど頭が冴えて、赤葦は凡てを悟った。
そして次の瞬間、ボフッと音をたてて木葉の布団に倒れこむ。
「うおっ…あ、赤葦が失神した!息してない‼猿杙、蘇生!!!」
「イエッサー!ッ鷲尾起きろー!」
「ギャーーーーーーッ木兎それ!人!」
「これはマネキンだぞ?体育館の裏に落ちてたやつ拾ってきた!」
「マネキンからは血は出ません!!!」
「ちょっと男子!何の騒ぎ⁉」
「雀田ァーーー!!!木兎がやらかした!!!」
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蟹江(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます(o;д;)oウワァア((深夜で頭沸いてますゴメンナサイ (2020年8月25日 0時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
あまね - 完結おめでとうございます(遅い)!この作品文ストの中で一番好きです!!しかもハイキューとのクロスオーバー……面白かったです!!こんな素敵な作品をありがとうございました! (2020年8月24日 21時) (レス) id: 138e71a309 (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 花蓮さん» 最後まで読んでくださりありがとうございましたo(*⌒―⌒*)o続編は…無理そうかもです(´ヘ`;)稲荷崎方言だからニガテ… (2020年7月24日 15時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
花蓮 - 完結おめでとうございます!!!ずっとこの作品を読むのを毎日の楽しみにしていたので、寂しい気もしますが、嬉しいです。稲荷崎の続編も蟹江さんが良かったら、是非書いて頂きたいです!!これからも更新応援してます。 (2020年7月24日 13時) (レス) id: 65f516d7e9 (このIDを非表示/違反報告)
蟹江(プロフ) - 鏡月夜紅さん» かけもち作品減らそうと思って無理矢理終わらせましたすみません( ノД`)…続編も書きたいけど余裕がない!気が向いたらまたクロスオーバー書きたいと思ってます(°▽°) (2020年7月19日 11時) (レス) id: 5573998c0c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蟹江 | 作成日時:2020年4月21日 1時