山姥切長義の"もしも" (ページ5)

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避難ページ5

国広side
本丸中を逃げ回って、やっと全員と合流できた。
国広「取り敢えず、何処かに逃げるぞ。でないと俺たち全員消されるかもしれん」
鯰尾「でも、逃げるったって何処に？」
長谷部「あるだろう。俺たちだけの隠れ家が」
にっかり「ああ。彼処のことだね」
鶯丸「確かに、彼処は俺たちしか知らないな」
国広「急ぐぞ。本歌に見つからないようにな。先導を頼めるか？愛姫」
愛姫「え、あ、ごめん。聞いてなかった。何？」
鯰尾「俺が先導しますよ。愛姫ほど得意じゃないけど」

長谷部「なんとか無事に辿り着いたな」
俺たちしか知らない場所。
それは、裏山の中にある、洞窟だった。
まだ本丸の物資が乏しかった頃、よく山に山菜を取りに行った。
一度しっかりと探索をしてみよう、という話になり、愛姫がこの洞窟を見つけた。
丁度愛姫位の身長の奴の目につく辺りに入り口があったのだ。
洞窟は奥まった場所にあり、中々人目につかない。
そして入り口も外にある蔦等で隠せるので初見は絶対にわからない。
ここならば、本丸に何かあったときも安全だろう。
そう判断し、定期的に非常食をおいたりと俺たち六人が管理していた。
国広「まさか、この洞窟をこんな風に使う日が来るとはな」
長谷部「場所を悟られても地の利は此方にある。万が一でも大丈夫だろう」
鶯丸「武装もしているしな」
にっかり「ちゃんと持ってきてて良かったねぇ。刀装のことだよ？」
鯰尾「全員極ですしね。・・・それで、これからどうします？」
国広「本歌は俺たち六人を徹底的に消すつもりだ。そういえば、主の様子はどうだった？」
鯰尾「朧気でした。山姥切さんのことも、覚えているのかどうなのか・・・」
国広「そうか」
鶯丸「意外とあっさりとしているな」
国広「主は絶対に俺のことを忘れたりしない」
鯰尾「すごい自信ですね。何処から湧いてくるんですか？」
国広「さあな」
ところで、愛姫がずっと黙りこくったままなんだが・・・。
兄に"消す"と言われたのが余程堪えたのだろうか。
俺だって兄弟たちに消すと言われたら相当辛い。
まぁ返り討ちにするが。
鶯丸「愛姫、寒くはないか？ここは冷えるからな。その体の小ささでは寒いんじゃないか？」
愛姫「平気」
にっかり「そういえば、非常食の中に少し菓子があったね。食べるかい？」
愛姫「いい」
長谷部「気晴らしに外にでも行くか？」
国広「行くな。死にたいのか」
長谷部なりに気を使っているのだろうが死ぬぞ、多分。
さて、どうしたものか。