山姥切長義の"もしも" (ページ39)

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決意ページ39

伽羅side
桜の木の下。
そこが、俺がこの身を得て、初めて愛姫に会った場所。

愛姫「ふんふふーん」
上から鼻声が聞こえる。
伽羅「誰かいるのか」
愛姫「・・・その声、もしかして」
小柄な人影が、俺の前に降り立つ。
艶のある銀髪。
大きな漆黒の瞳。
昔から何一つ変わらない、その姿。
愛姫「やっぱり、伽羅だ！」
伽羅「・・・久し振りだな」
愛姫「うん。また会えて嬉しいよ」
伽羅「元気そうで何よりだ」
愛姫「そうだ。光忠さんにはもう会った？」
伽羅「あぁ」
愛姫「・・・良かったよね。また、会えて」
伽羅「そうだな」
愛姫「さて！これからもよろしくね。伽羅」
伽羅「あぁ」
愛姫「相変わらず素っ気ないなー」
伽羅「ふん」
愛姫「今日は歓迎会だよ。馴れ合うつもりはないだろうけど、ちょっとは馴染む姿勢くらい見せてよね。短刀たち、怖がっちゃうかもよ」
伽羅「ふん。丁度いいな」
愛姫「とか言って。実はちょっと寂しかったり？」
伽羅「しない」

そして、今日。
俺が顕現して六年目になる。
俺は、愛姫に想いを伝えることを決意した。
伽羅「愛姫。話がある。今夜、あの木下に来れるか？」
愛姫「う、うん」
きっと、今夜の桜は一等綺麗だ。