山姥切長義の"もしも" (ページ32)

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自覚・・・？ページ32

愛姫side
さっきから、心臓がうるさすぎるんだけど、何で？
乱「愛姫ちゃーん。お風呂、沸いたってよ。・・・顔赤いよ？やっぱり熱が出ちゃったのかな？」
愛姫「み、乱・・・。なんか、心臓がうるさいんだけど」
そういった瞬間キラーンと目を輝かせる乱。
乱「いつから？さっき、大倶利伽羅さんがお姫様だっこしてから？」
愛姫「大体、その辺りから」
乱「ふーん」
にまにまと笑う乱。
愛姫「ねぇ何なの」
乱「別に～。取り敢えず、風邪引いちゃいけないから、お風呂入っといで」
愛姫「うん」

湯船に浸かりながら考える。
何故こんなにも心臓がうるさいのか。
伽羅のことを思い出すと、よけいうるさくなる。
愛姫「うぅ～。何でなのぉ」
のぼせそうなので、風呂をあがる。

髪を乾かしているときも、ずっと頭に浮かぶのは伽羅のこと。
ふと鏡を見ると、顔が赤い。
取り敢えず今日は早く寝ようそうしよう。
風呂場から出る。
伽羅「愛姫」
愛姫「あ、伽羅。お風呂、ありがと」
まともに伽羅の顔が見れない。
伽羅「何故こっちを見ない。・・・俺は、何かしてしまったか？」
愛姫「そうじゃないよ！そうじゃないけど・・・」
伽羅「けど？何だ」
愛姫「その、・・・また今度話す！」
その場から逃げるように、部屋に駆け込んだ。

大倶利伽羅side
避けられた・・・。
嫌われてしまったのか、俺の気持ちに気づいたのか。
後者だといいんだが・・・。

長義side
不可不可不可不可。
認めないよ俺は。
何故風呂場から出てきたら妹が顔を赤らめて部屋に駆け込む所を見なければならない。
長義「くそぉ～」
その場にしゃがみこむ。
昔一緒に過ごしたことはないが、ここに来てからほとんどの時間を共にしてきたから、それがあんな伊達男にとられると思うと寂しい。
だが、愛姫が大倶利伽羅といて幸せで楽しいと思うなら、それでもいい。
こちらに来た大倶利伽羅と目が合う。
伽羅「・・・」
言葉は何も交わさなかったが、あの顔は勝利を確信した笑みだ。
妹がとられるのは、こうも複雑な気持ちになるのか・・・。