愛姫への思い ページ24
伽羅side
鶴丸「ははっ。避けるしか出来ないか？伽羅坊」
伽羅「・・・」
右、左、左、下、上、右、左、左、下、上。
国永の攻撃は奇想天外なように見えて規則性がある。
攻撃を出す振りかぶり方が違うだけで。
ガキッと、鍔迫り合いになる。
鶴丸「なぁ伽羅坊、謀反を起こしたのは何故だ？」
伽羅「愛姫も言っただろ。俺は、俺たちは謀反なんか起こしていない」
鶴丸「なら何故本丸から出ていった」
伽羅「何処かのお転婆姫を助けにな」
鶴丸「愛嬢か・・・」
お互い距離を取り、体勢を立て直す。
鶴丸「愛嬢も、伽羅坊の気持ちに気づかないとは。鈍いよなぁ」
伽羅「クソ爺が」
鶴丸「貞坊も薄々勘づいてると思うぜ」
伽羅「・・・はぁ」
鶴丸「刀を納めろ伽羅坊。愛嬢に思いを伝えられないまま、折れるのは嫌だろう？」
伽羅「国永ごときが、俺を折れるとでも？」
鶴丸「舐めるなよ。小僧が」
そこからは単純な一騎討ち。
互いに手傷を負っていく。
そんな中・・・
愛姫「伽羅っ！」
愛しい刀の声が聞こえた。
天真爛漫。
まさにそんな言葉が似合う刀。
その刀に俺が抱いている感情は、きっと、人の心がもたらしたものだろう。
人はこれを、恋と呼ぶのだろう。
伽羅「はぁっ！」
鶴丸「くっ！」
鶴丸の首筋に峰打ちを放つ。
愛姫「おー。流石伽羅、容赦ないね」
伽羅「そっちはどうだ」
愛姫「終わってるよ。ちょっと寝てもらってる」
国広「愛姫、大倶利伽羅！伏せろっ！」
何処からか、山姥切の声が聞こえた。
取り敢えず、言われた通りに伏せる。
すると、頭上に物凄い突風が吹いた。
正確には、突風ではなく、遅れ風だが。
愛姫「三条か・・・」
三日月「ここから先へは行かせぬぞ」
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作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年4月4日 20時
