山姥切長義の"もしも" (ページ13)

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待機組の昔話ページ13

国広side
小竜「暇だねぇ」
燭台切「そうだねぇ」
小竜「暇だから愛姫の昔話聞きたいな」
大般若「お、いいなぁ」
国広「よし乗った。愛姫がカッコいい話と可愛い話どっちがいい」
小竜「両方」
小豆「さいわい、じかんはたくさんあるからな」
国広「まずカッコいい話からいくぞ。あれはまだ、本丸ができて間もない頃だった」

昔の国広side
国広「はぁ」
愛姫「さっきの戦のこと、まだ悔いてるの？ここ懺悔室じゃないんだけど」
鯰尾「ただでさえ梅雨でジメジメしてるのに、それに負けないくらいジメジメしないでください」
鶯丸「キノコが生えてきそうだな」
にっかり「キノコって言ったよ。この平安刀」
長谷部「胞子と言え」
愛姫「胞子は生えてこないよ」
まだ手入れ部屋を全部使える状態ではなかったので、俺たちは怪我するとこの狭い手入れ部屋に放り込まれていた。
国広「俺は、やはり初期刀に相応しくなかったんだ・・・」
愛姫「はぁ？何言ってるの？姫様が一番最初に選んだ刀だよ。姫様が国広がいいって思ったから選ばれたの。だから国広は姫様の中で一番で特別なの。それなのに一回戦に負けたくらいでそんなにウジウジしてさー。あーやっぱなっさけないなー。」
国広「だが負けたんだぞ！」
愛姫「いいじゃん負けたって。皆、この体を得てから戦闘経験が浅いんだから。今までだってそうだったでしょ？私たち二振りだけのとき無傷で勝てたことあった？なかったよね。今は誰一人欠けずに帰ってこれたことを喜ぼうよ」
鯰尾「そうですよ。弱虫初期刀様」
長谷部「腹立たしいが、主の一番はお前だ」
鶯丸「そんなことでウジウジ悩むな。若いんだからまだまだ何でも出来るさ」
にっかり「肉体的には鶯丸さんも充分若いんだけどね」
愛姫「だってよ国広。まだまだ次があるんだからいつでも挽回出来るって。今は傷を治すことに専念しよう。そしてあいつらぶちのめそう」
「ぶちのめそう」と言ったときの愛姫はとても怖かった。
目が笑っていない。
愛姫「だって、大事な仲間こんなボロボロにされて怒らないわけないでしょ。だからほら、顔あげてよ」
その言葉に、俺はずっと俯いていたんだと言うことに気づいた。
恐る恐る顔を上げる。
あぁ、俺の仲間はこんなに頼もしい。
俺も強くならなければ。
そう決意した。
愛姫には感謝しなくてはな。
俺に前を向かせてくれたこと。
俺の本歌の妹は、本歌に負けず劣らずのカッコよさだった。