2020年 小田原 ページ34
山姥切side
あちら線についた途端、転移装置が壊れた。
転移装置の文字盤は2020年を指している。のにも関わらず小田原の町並みは、俺がよく知る昔のままだった。
山姥切「何故だ？」
薬研「これがあちら線の歴史か。どうやら、江戸時代が続いているようだな」
明石「江戸時代の政策はもうぐちゃぐちゃやったんとちゃいます？」
山姥切「何かしらの政策が上手くいったんだろう。この様子じゃ、黒船すら来航していないようだ」
次郎「しっかし、そんな歴史もあるもんなんだねぇ」
御手杵「小田原の町並み、綺麗だな」
ややずれたコメントの御手杵。
青江「一度、こちらの歴史と照らし合わせてみよう。こんのすけ」
青江が呼んでも出てこない。
山姥切「こんのすけ？」
俺が呼んでも出てこない。
薬研「転送され忘れたのか？」
明石「そんなアホみたいなことあります？」
山姥切「忘れじゃない。出来なかったんだ、多分」
薬研「まずいな。それじゃ、情報が伝えれねぇし、貰うことも出来ねぇ」
山姥切「取り敢えず、町に降りて情報収集をしよう」
明石「と言いつつ、目めっちゃ輝いてますやん。好奇心に負けんといてください」
山姥切「すまない。だが今の俺にこの好奇心を抑えられる術はない」
薬研「山姥切の旦那の言うことも一理あるが、どうする？俺たちの格好は相当目立つぞ」
山姥切「・・・」
完全に盲点だった。
次郎「じゃあアタシがパーっと皆の服買ってきちゃうよ！」
山姥切「俺たちには金がないが」
次郎「アタシが適当に町で舞っときゃ金入るって！」
薬研「お、いいなぁ」
御手杵「次郎太刀なら女に見えなくもないし、大丈夫だろ」
次郎「どーんと任せときなって、まんばちゃん」
山姥切「よろしく頼む、次郎太刀」
明石「あんま騒ぎすぎんといて下さいよ」
青江「目立ちすぎるのもあまり良くないしね」
次郎「そんな心配しなくても大丈夫だって！それじゃ、行ってくるよー！」
次郎太刀は町へ降りていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：兼さんの耳飾り | 作者ホームページ：http://yuzunoki
作成日時：2023年3月29日 19時
