タイムカプセルの中身 ページ28
朝日side
本丸に帰ってすぐタイムカプセルを開けた。
中には沢山の写真と、二枚の手紙。
手紙を開いて読む。
『十五年後の私へ
まぁまずはよくここまで生きてこられたよねって話。霊力に喰われかけてた私を政府がスカウトしてくれなきゃ死んでただろうよ。代々神社の神主で人より霊力が多いのは知ってたけどさ、まさかあそこまでとは思ってなかったよねー。あと十五年したら私は、二十五?大分大人になったなー。
やっぱここまで生きてこられたのは皆のお陰だよね。初期刀の歌仙に初鍛刀の小夜。あの二振り、忙しそうだったなー。まぁしゃーないよね。私まだ三歳だったし。面倒は朝日が見てくれてたっけ?朝日は主離れ出来てる?まぁあの様子じゃ当分出来ないよね。何て言うか、皆には感謝しなくちゃ。ここまで育ててくれたこと、愛してくれたこと。私は皆にその倍の愛で恩返ししたい。まだまだ未熟な審神者だろうけど、やれること、出来ることを精一杯してください。 十歳の私より』
『皆へ
私をここまで育ててくれて、愛してくれてありがとう。私はこれからももっと審神者として活躍したいと思います。そのためにはこれからも皆の力が必要不可欠です。これからも協力してくれると嬉しいです。皆は私の大切な家族です。誰一人、欠けることなんて許しません。これからも私をうーんと愛してくれると嬉しいです。私はそれを倍の愛で返しますから。 貴方たちの主より』
視界が滲む。
涙が溢れて止まらない。
私たちは貴女が生きていてくれるだけで充分だった。
それなのに愛してくれるだなんて、どれだけ私たちは彼女に愛されていたのだろう。
ありがとう、主。
私は貴女を忘れない。
だからどうか、前を向いて歩くことを許してください。
貴女の未来を奪ってしまった私を恨んでもいい、妬んでもいい。
だからどうか、もう少しだけ生きることを許してください。
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作者名:兼さんの耳飾り | 作者ホームページ:http://yuzunoki
作成日時:2023年3月29日 19時