うとうと （桃）* ページ14
大毅
「… げくん 、… しげくん！！」
「 っ、わっ！」
めちゃめちゃ肩叩かれてると思ったら、
目の前にはマネージャーのどアップ。
やっと起きたとため息つきながら 、
着きましたよってカバンを渡してくれる。
「 … おーきに、」
「やっと返事した。笑 爆睡でしたね、スッキリしました？」
「 や、めっちゃ眠い …… 、なんやろ 」
ほんまにどうやって車に乗り込んだかも覚えてないくらい。
気がつけば現場の駐車場で 。
今日はほんまに身体中が寝てるみたいに重くて力入らなくて、
気を抜いたら 、マジでまぶた閉じそう 。
「 疲れてますね 、スケジュール無理あったかな… 」
マネさんの一言でぱっと目が冴える 。
「 や、ちゃうちゃう、大丈夫 。いってきます 」
昨日もいつも通り寝たし 、仕事もいつも通り。
俺が眠いだけでマネージャーに気を使わせてしまった 。
なにしてんねん、俺。
「 おー、おはよーしげ。」
「 小瀧 、おはよう」
眠くてふらっふらする足元をどうにかしながら楽屋に到着。
頭ぼーっとしてなんも考えられん。
とりあえず撮影までにこの眠気をどうにかしたくて、
小瀧には申し訳ないんやけど挨拶もそこそそにソファに直行。
「 え、ちょ どうしたん。寝れてない？」
「 ふつうに寝たんやけど 、 眠すぎて… ちょっと寝かせて 、 」
小瀧の返事が聞こえるのも待てなくて 、
今日俺ダメダメやな。
そんなことを考えたか考えてないかもよく覚えてないけど、
小瀧が起こしてくれるまで、目は覚めへんかった。
「 ほら、そろそろやけど 。大丈夫？」
「 ん、ありがと 、」
時間になったのか、小瀧が肩を叩いて起こしてくれる。
あーー…… なんでこんな気持ち入んないんやろ、ぼぉっとする。
「 頭寝てんやろ。笑 ほら、がんばるで！？」
もう、年下にこんなに気い遣わせて… しっかりせなあかんな。
「 ん、まじでごめん 。やるけど、なんかあったら助けてな 」
「 おけ、りょーかい。ほら、メイク行ってき」
小瀧が笑って背中を押してくれた。
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作者名：こゆ | 作成日時：2018年3月20日 8時
